ローラースケートとソバカス娘
(紅葉さん大丈夫かなあ・・・・・。)
日本からこのアメリカ・ニューヨークにきてから、彼女とは手紙のやりとりもしていませんでした。
再び自分は、紅葉さんから頂いた、真っ赤なカニのキーホルダーを眺めていたのでした。
僕はこのまま感慨にふけりながら、お昼休みの時間を終えるものと思っていました。
が、しかし・・・・・・・
============== ガラガラガラーーーーー!!!!! ===============
(な、ななな・・・・!?)
突然な何かが迫ってくる音に、ボクはガバッと顔を起こしました。
============= ガガガガ、ガラー!!!!!!! ================
それはさらに接近してきて、自分にとっては危険の感じるレベルまで、引き上げられる存在となったのでした。
「うあわあああああ!!!!!!!!!!!!!」
「ぎゃあああ!!!!!!!!!!!!」
双方が叫び声をあげて、交錯したかに感じたのでした。
(・・・・・・・・ほっ・・・・・・)
特に自分は、痛みを感じませんでした。
幸いにも、僕は接触を免れたようでした。
しかし・・・・・・。
そのガラガラ音の主は、ボクが座っていたベンチにまともに激突していたのです。
僕は安否が気になって、凝視しました。
だが、それが少々まずかったのでした。
自分が視線を向けたところには、ミニスカートでローラースケートを履いたソバカス娘が転がっていたのでした。
「いたたたた・・・・。」
彼女は目をパチパチさせながら、倒れたまま腰をさすっていたのでした。
(大事には至っていないのかな・・・?)
ボクは直感的に、女の子が大怪我をしていないように思えました。
「ふうっ・・・。」
彼女は上半身を起こしましたが、尻餅をついた状態でした。
(・・・・ほっ・・・・・・)
僕は若干、安心してローラースケートのソバカス娘を眺めていました。
「な・・・!」
なぜか彼女は、ボクを一瞬にらみ付けてきました。
そして不思議なことに、バツが悪そうに少し顔をそらしたのです。
(な・・・、なんなんだ?
この女の子は・・・・。)
ソバカス娘の、理解しがたい態度に対して、僕はどの様に反応すればよいのか困ってしまいました。
=============== ガッシ!!!!! ===================
「な!?」
急に彼女は、ボクの両肩を強く掴んできました。
「みてたの!?」
「え???」
そりゃあベンチにローラースケートで激突したので、とても心配していたからみていたのですが・・・。
「ジロジロみてたじゃない!?」
「え・・・、まあ・・・。」
女の子の問いに、否定は致しませんでした。
でも、とたんに彼女の感情が頂点に達した事を、僕は感じたのでした。
(え・・・?
いったいこの娘は、どうしちゃったんだろうか?)
「やっぱりみたんじゃないの!?
お!!」
「い!?
いだだだだ!」
ボクの肩を掴んでいる彼女の力は、さらに強度を増したのです。
「やっぱり、ワタシのスカートの中をみたのね!!」
「ええええー!?」
彼女は、一体を何を言っているのでしょうか・・・。
この僕が、女の子のスカートの中を覗き見るなんて・・・・。
・・・・まあ・・・・、確かにベンチに激突して転倒したソバカス娘は、ミニスカートで行儀のよろしくないポーズを取っていたのですが・・・・。
「んーーー。」
彼女はボクをにらみ付けながら、うなっていました・・・・・。
その様は、まるで犬が人間を威嚇している事を連想させる雰囲気でした。
そんな女の子をみて、僕は滑稽に感じて笑ってしまいそうになりました。
「な!?
なにをニヤニヤしているのー!?」
ソバカス娘は、グイッと僕の両肩を引き寄せてきました。
「わわっ!?」
ボクは彼女に何をされるのか、と焦ってしまいました。
と、思ったのでしたが、女の子はパッと両手を僕の両肩から話したのでした。
(あ、あれ・・・?)
不意に解放されたボクは、拍子抜けしたのでした。
「んんーーー!」
ローラースケートのソバカス娘は、顎に右手の親指を当てて、唸りながら腕組みをしていました。
(な、なんだ・・・?
何をこの娘は考えているんだろうか?
それにしても、衝突したり、騒いだり、唸ったり・・・・。
本当に落ち着きのない、女の子だなあ・・・・。)
そして、その落ち着きのない娘は、さらに行動を加速させていくことになるのでした。
「よし!」
ソバカス娘は、何か意を決した様子でした。
「さあ!
ここでクイズです!!」
彼女は右手の平を、僕の方に向けて、左手を腰に当ててポーズを決めていました。
(え?
急にどうしたんだ?
この女の子・・・。)
金髪の白人娘が、ミニスカートでローラースケートを履いているその様は改めて見てみると、まさにアメリカン!、な感じでした。
「問題1!」
どうゆう訳なのか、女の子はボクに対してクイズを出題をするようでした。
それに対して僕は、ゴクッと唾を飲み込んで身構えたのでした。
「今のワタシのパンツは何色でしょうか!?」
「水色・・・・。」
「ピンポーン!!」
その女の子は、満面の笑顔で両手を挙げていました。
ハッと、ボクは我に返りました。
(いえ・・・、僕は見たんじゃない・・・、僕の視線の先にスカートがあったんだ・・・・。)
「何をブツブツ言っているの!?」
ソバカス娘は、グイッとボクの胸ぐらを掴んできました。
彼女は満面の笑みを浮かべたと思ったら、今度は鬼の様な形相を露わにしていたのです。
「やっと、口を割ったわね!!
アンタ、やっぱり見てたんじゃないの!!!」
「いや、だからあれは不可抗力で・・・・」
何とかして、僕は誤解(?)を説かねばなりません・・・。
だって、もうすぐ午後の練習が始まってしまうのですから・・・。
「その割にはアンタ、ワタシのスカートの中をジックリと眺めていたじゃないのー!!」
「ぐわっ!ぐわっ!!」
ローラースケートのソバカス娘の腕力の強さに、ボクの首はガクンガクンと振られていました。
おそらく僕は、この物語が始まって以来、最大(?)のピンチを迎えていたのでした。
(これはまずい・・・。
早く、この冤罪(?)を解かないと・・・・。)
しかし今度は、女の子の動きが急にピタッと止まったのでした。
「あっ!
まずい!
パパだっ!!」
突然に彼女はパッと両手を離し、僕を再び解放したのでした。
「いだっ!!」
今度は不意を突かれたボクの方が、尻餅をついたのでした。
あっという間に、女の子はローラースケートで、シャーッと走り去っていったのでした。
(な、なんだったんだろうか・・?
今の娘は・・・。)
急な事態の収束に、ボクは若干名残惜しくも、ホッとしていたのでした。
「おい、ナツメ。
もうレッスン始まるよ。
行こうよ。」
サニーが、僕に声をかけてきました。
「う、うん・・・。」
気がつけば、もう午後の練習が始まる時間になっていました。
振り向けば、サンダー・ライトコーチも歩いてきていました。
僕たちは急いで、テニスコートに入りました。
(しかし、あの女の子、どこかで見たことがあるなあ・・・。)




