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ちょっと年上の女の子  作者: らすく
第一章 旅立ち
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みんなに感謝!

 僕は母に、テニスアカデミーに留学することを報告しました。母は、早く留学が決まった事を率直に喜んでくれました。母からはテニススクールは、ちゃんと筋を通して円満に退社する事を強く言われました。

 僕は母に言われるまで、自分の事しか考えていなかったことに気づいていませんでした。


 僕は、今までのことを思い返しました。

桜さん、僕の練習手伝ってくれて、ここまで見守ってくれた人。

高校のテニス部のみんな、僕がテニスが上手くなるまで一緒にプレイしてくれた人たち。顧問の先生。

テニススクールの人たち、ここにいたから、僕のモチベーションが保てたし紅葉さんと出会えた。

紅葉さん、僕と仲良くしてくれた、たくさん助けてくれた。

雪乃さん、僕のテニスアカデミーへの入学を助けてくれた。

母、僕の悩みを正面から聞いてくれて、留学資金も援助してくれた。

 ・・・・・まだまだ思い出せないだけで、僕はたくさんの人たちの助けをもらっていたのだろう。


 僕は、明日から僕に関わるすべての人たちを大事にしていこうと思った。そして、渡米するまでの短い期間、精一杯自分を出し切ろうを心に誓いました。


 ちなみに、従姉の雪乃さんに再会したことは母には言えませんでした。それにはある理由があるのです。

実は僕の父と母は、家族の猛反対を押し切って結婚したそうです。その結果、実家から母は勘当された状態にあるのです。


 ただ僕の叔父、つまり母のお兄さんは、母のことを不憫に思い親に内緒でたびたび母と会っていたのです。そのときに、一緒にいた僕と従姉の雪乃さんは遊んでしたのでした。しかし、最後に会ったのは十年以上前。実家のお爺さんが亡くなり、叔父が家督を継いでからめっきり会わなくなりました。


 でも、いつかは雪乃さんの事は、母に話そうと思います。だって、雪乃さんはとても性格の良さそうな女性だったから。時間がかかってもいつかは・・・・。


 僕は近所の公園でベンチに座りがたたずんでいました。

 「大きな転機がやってきたね。」いつの間にか、桜さんが隣に座っていました。やぱっり、外見は雪乃さんに似ているけど別人です。


 「みんなに感謝することは、ぜったに忘れちゃ駄目だよ。特にいきず詰まった時には思い出して。」桜さんは、毎回哲学的な事を僕に言います。でも先を見透かしたような、説得力が彼女にはあります。だから、僕は深く考えずに彼女に心から同意しています。


 (桜さんは、不思議な人だけど深く詮索するのはやめておこう。桜さんと僕は、今の距離感が最高のバランスなんだ・・・・。)



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