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ちょっと年上の女の子  作者: らすく
第2章 修行
109/315

余計なことを、考えなくてもいいんです・・・・

 僕の目の前で、ちょっとした姉弟げんかが繰り広げられていました。 

 「あ、あのサニー・・・。」

 なにもそんなに言わなくても、と思ったボクはこの場を納めようとしました。

 「大丈夫なのかい?

 サニー・・・。」

 そして彼のことを案じていることを示して、話の方向を転換させようと試みたのです。

 「ん?

 なにがだい?」

 サニーは、まるで今まで何事もなかったかのように、キョトンとしていました。

 (あれれ・・・、サニーはどうしたんだ・・・?)

 その彼の態度に、自分としては戸惑うしかないのでした。

 何でって、そもそも僕たちがこうして外出しているのは、彼が突然姿を消したからなのですから・・・。

 すると急に僕の右肘を、誰かが恐らく自分の肘で突っついてきたのでした。

 誰が・・・・。

 

 「良くあることなのよ・・・。」

 ムーンは、僕に小声で囁いてきました。

 (・・・・・・!)

 その彼女の一言で、ボクはほぼ全てを悟ったのでした。

 探し出した(?)サニーは、意外にも機嫌が良さそうです。

 もう彼に対しては特に追求しない方が、綺麗な問題の収束のスタイルだという結論に達しました。

 「ふふ・・・・。

 みんな今日は遅くなる前に、返った方がいいかもね・・・。」

 セクシーな占い師の女性は僕たちに、この場のお開きを促してきたのでした。

 でもボクは、一つだけ聞きたいことがありました。

 「あの・・・、貴女はサニーとは姉弟なのですか?」

 自分は、率直に質問しました。


 「そうよ・・・・、サニーを宜しくね・・・。」

 その女性占い師は、そう返事をしたのですが・・・・。

 なんだか、彼女の顔色が優れないと、自分は直感的に読み取ったのでした。

 「だ、大丈夫ですか・・・・。」

 女性占い師は、急に下を向いて目をつむっていました。

 「大丈夫だから・・・。

 疲れているだけだから・・・。」

 彼女は自身の安否を気にして欲しくない感じでしたが、僕はどうしても気になるのです。

 「大丈夫だから、お姉ちゃんはいつもこんな感じなんだよ!」

 そこでサニーが、ボクの肩をポンッと叩いてきました。

 「でも・・・・。」

 彼の台詞に対しても、やはり僕は納得が出来ませんでした。

 「私は、いつも貧血気味だから・・・。」

 どうやら女性占い師は、日常的に体調不良が起こっている感じなのでした。

 振り向くとムーンが、コクッと軽く頷いていました。

 (ムーンは、この占い師とは元々知り合いなのか・・・・。)

 と言うわけで、自分としては、特に彼らの主張に逆らうことをしないこととしたのでした。

 僕たち3人は、女性占い師に別れを告げて帰路につくことになりました。


 「実は、お姉ちゃんは小さいときは内臓に病気を持っていて、とても体が弱かったらしいんだ・・・。」

 帰り道で、サニーが語り出しました。

 「生まれたときから、いつまで生きれるんだろうかと言うくらいの状態だったんだ。」

 彼は話を、続けました。

 「・・・・・・。」

 僕は、彼の話を相づちを打たずに聞いていました。

 そして、ムーンも黙っています。

 でも彼女がボクと違う点は、もうすでにサニーの話を知っているのでは無いかという事でした。

 「お父さんは、凄い人なんだ・・・。」

 サニーは、この話の本筋とは異なるのではないのか、という台詞を出してきました。

 それでも彼の言うことを、そのまま聞き続けました。

 「お父さんは、凄いことをしたんだ・・・・。」

 (・・・・?)

 僕は、サニーが何を言わんとしているのか、まだ分かりませんでした。

 

 「お父さんは、お姉ちゃんの内臓の病気をなくしたんだ・・・・。」

 病気を無くしたとは、どうゆう事なのでしょうか・・・・。

 「お父さんは、お姉ちゃんが小さいときに、病気を別の子に移したんだって・・・・。」

 今のボクには、すぐに理解できない話でした。

 内臓の病気を移す、って一体どうゆう事なんでしょうか。

 「お姉ちゃんは、自分が今まで生きてこれたのは、別の子が内臓の病気をもらってくれたからだと思っているんだ。

 それでお姉ちゃんは自分の内臓の病気を移された子は、どうなっているのかとても心配してる・・・・。

 ひょっとしたら、もう死んでしまっているんじゃないかも、って・・・。

 はやくその子を探して、元に戻してあげたいって思っているんだ・・・。」

 そのサニーの語り方には、ふざけている様子は欠片も感じませんでした。

 しかし自分の娘の内臓の病気を、別の人間に移して治すなんて、そんな事が可能のなのでしょうか・・・・。

 横を見ると、ムーンは顔を見つめていました。

 彼女の表情から、自分はどうすればよいのか、という雰囲気を察したのでした。

 ボクは今日のことは、全て不問にすることにしました。

 そう考えて、部屋に戻った自分は寝床に着いたのでした。


 「おはよう!」

 早朝にサニーが大きな声で、挨拶を僕に挨拶をかけてきました。

 (これでいいんだ・・・・・。)

 そして、アカデミーの練習に僕とサニーは参加しました。

 何故かサンダー・ライトコーチは、昨日のサニーの無断欠席に対して全く触れてきませんでした。

 ボクは思いました。

 (これで、いいんだ・・・・。)

 余計なことを、考えなくてもいいんです・・・・。


 

 

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