下手に逆らわない事ね・・・・
「な、何を言っているんだよ・・・・。」
僕は拳を強く握りしめ、プルプルと震えていました。
僕らは行方不明のサニーを探しに、この繁華街に来たのではないのではないのでしょうか。
何のためにムーンはボクを外出に誘ってきたのでしょうか・・・。
彼女ののすっとぼけた態度に、ハッキリ言って怒りに限りなく近い感情が自分の心の奥底から沸き上がって来たのでした。
「じゃあ、入ろう!」
それにも関わらず、完全にボクの気持ちを無視して、彼女は腕を引っ張ってきました。
「フンッ!」
「きゃっ!」
僕は思いっきり女の子の腕を、振りほどいたのでした。
「どうしたのよ!」
どうやらムーンはボクの行動の意味が、分かっていなかったのでした。
そのことでさらに自分の中の、沸騰しそうな感情の温度が上がることになったのです。
「もう知らないよ!
勝手にしなよ!」
たまらなくなった自分は、彼女の誘導に従わない意思表示を明確にしたのでした。
「え?
そうなの?
じゃ、そうするよ!」
その女の子は、意外にも感情を荒げることもなく、ボクの言動に対して、あっさりと引き下がったのです。
そしてムーンは、サッとアクセサリーショップに入店してしまったのでした。
このアッサリとしたムーンの引き際に、僕は拍子抜けしてしまいました。
この結果、自分はポツーンと一人で、立ちすくんでしまったのでした。
「おにいさん。」
立ち往生している時に、どこからともなく不意に呼び声が、自分の耳に入ってきました。
(え・・・・。)
しかし驚きはしたものの、若干の安心感が自分の心の中に芽生えてきました。
動きが止まっていた僕は、ある意味「渡りに船」といった感じで、声の主の方を速やかに振り向いたのです。
「おにいさん・・・。」
このアクセサリーショップの外には、露天商らしきモノが構えられていた様でした。
そして、その店には一人の女性が座っていました。
ボクはマジマジと、その女性の顔を確認したのでした。
・・・とても綺麗な、黒人の女性でした。
上手く言えないのですが、日本人の女性には出せないセクシーさを感じられるのでした。
・・・・その黒人女性は、いかにも・・・という出で立ちなのでした。
彼女は、まさにクレオパトラを彷彿させる服装です。
ゴージャスで尚かつ、妖艶なイメージを身に纏っているのでした。
「おにいさん、悩んでいるわね・・・。」
(いや・・・、確かに悩んでいるんだけど・・・。)
女性の語りかけに対して、僕は完全にたじろいでいました。
だって、いかにも占い師という感じの人に、不意に語りかけられた経験はありませんから・・・。
いや、そんな経験はない人の方が、圧倒的に多いのでしょうが・・・。
「お兄さん、可愛い顔しているから、特別に無料で占ってあげる・・・。」
そう言うと、彼女は明らかに水晶玉に見える球体を、綺麗な布を下にしてトンッと置いたのでした。
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ほぼほぼ会話もしていない占い師の女性に、いきなり踏み込んだことを言われて、ボクは絶句しました。
(ううーん。
なんだか、胡散臭いなあ・・・・・。)
しかし、自分の動きが止まっているスキに、なにかセクシーな占い師の女性は行っているのでした。
(な、なな・・・・。)
彼女は勝手に水晶越しに、僕を眺めています。
その相手の意思を無視した行動は、先ほどまで一緒にいたムーンとは、またひと味違ったモノです。
「お兄さんは、女難のそうがあるわね・・・。」
「え・・・・。」
いきなり思いもよらない事を言われて引き続き、僕は言葉に窮したのでした。
「貴方、その女性には、とても振り回される運命にあるわね・・・・。」
「どうすればいいのですか?」
何のかんの言って、ボクはセクシーな女性占い師に対して、身を乗り出し聞き直したのでした。
「下手に逆らわない事ね・・・・。」
「そ、そうなんですかあ・・・・?」
そんな簡単な事でいいのか、と僕はちょっと不安になりました。
「結果的にそれが、お兄さんの幸せに繋がるわ・・・・。」
「はあ・・・・。」
僕は、正直に言って半信半疑なのでした。
だって、言い換えれば相手の言うとおりにする、と言うことなのですから・・・。
さらに予想外の事が、起こるのでした。
「お姉ちゃん!!」
「あ、サニー。」
なんと僕とムーンが探していたサニーが、いとも簡単に現れたのでした。
しかも彼、自ら・・・・。
さらに、このセクシーな女性はサニーの・・・・。
「もう、お姉ちゃん、いい加減に若者を惑わすような事を言うのはやめてよ!!」
「だって、サニー。これはお姉ちゃんの仕事なのよ。」
ボクの心配をよそに、サニーはお姉さん(?)に食ってかかっていました。
しかし後に思い返すと、このセクシーな女性占い師の言葉は、正に現実のものとなるのでした。




