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ちょっと年上の女の子  作者: らすく
第2章 修行
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何かあるかもよ!

 「うっ・・・」

 改めて図星を指されると、僕は返す言葉に窮したのでした。

 「悩んでいるって、顔に書いてますよ。」

 (なんだか、日本語的な表現だなあ・・・。)

 ムーンは、またボクの顔をジッと見つめ直しました。

 彼女のその瞳は、とても大きかったのでした。

(これだけ大きな眼だと、ゴミとか入ったりしないのかな・・・。)

 いえ、今はこんな事を考えている場合ではありません。

 だから、自分は逆らうこともなく、思わず彼の名を漏らしました。

 「実はサニーが・・・・」

 そこで女の子は、何かを察したように瞬きをしました。

 

 「サニーがどうしたの?」

 ムーンは口調を変えて、僕に聞き直してきました。

 彼女のそれは、非常に真剣な態度に感じられました。

 「彼が、朝から姿が見えないんだ・・・。

 しかもサンダー・ライトコーチにも連絡していない様だし・・・。」

 どうやらボクも、口調に変化が現れてきた様でした。

 「そうなの・・・。」

 女の子は少しだけ、首を傾げて考える仕草を見せていましたが、別段に深刻な様子は伺えませんでした。

 そう・・・・・、むしろ何かを察しているかの面持ちなのでした。

 「実はコーチにも聞いたんだけど、なんだか引っ掛かる事を言うんだ。」

 「何て言ったの?」

 やはりムーンの口調は、落ち着いています。

 「うん・・・、「ここでは、よくあることだな・・・。」って・・・。」

 ボクはサンダー・ライトコーチかた言われた通りそのままに、彼女に伝えました。


 「・・・・・そう・・・。」

 女の子は動じません・・・いえ、むしろ悟りきったかのような雰囲気を醸し出していたのです。

 「僕はどうしたら・・・・。」

 本当にどうすれば良いのか、全く分かりませんでした。

 「どうするって?」

 何故かムーンは少しだけ、ンッとした感じの表情を見せました。

 「いや・・・、だから自分としては、どのような行動を起こしたら良いのか分からないんだ・・・。」

 実はボクもサニーがどの様な状況にあるのか、薄々と気づきはじめていたのでした。

 しかし、それをハッキリと、言葉として表現することは成しがたい事であったのでした。

 そして彼女も、それ以上この話を続けようとはしませんでした。

 だから僕は、ムーンにラケットのガットを張ってもらって、この場を去ったのでした。

 自分の部屋に帰る途中道で、ベンチに座りました。

 ーーーー予感はありました。


 「迷っている友達が気になるのね・・・。」

 やはり、桜さんが現れました。

 「気になります。」

 ボクは普段に戻れたような気分になって、少しホッとしました。

 「人の気持ちは変えられないのよ。」

 「人の気持ち?」

 横を向くと、桜さんはとても優しい表情を見せていました。

 「巳波くんだって、自分の事は、自分で決めたいんじゃないの?」

 彼女の眼は、柔らかく僕の瞳を見つめていました。

 「そ、そうですね・・・。」

 なんだか僕は、サニーに対してお節介な気持ちを抱いていたのかも知れない、と思いました。

 (無理に自分は、彼のために動くべきでは無いのだろうか・・・・。)

 気がつくと、桜さんの姿は無くなっていました。


 「いらっしゃい!」

 僕は一度自分の部屋に戻ってから、アカデミーの食堂に入ったのでした。

 今日は、僕は一人で夕食をしたのでした。

 そして、会計を済ませようとした、その時・・・・。

 「気になる?」

 ウェイトレスさんが、意味深な台詞を出してきました。

 「え?」

 勿論、ムーンが何を言わんとしているのか、自分には分かっていました。

 「はい・・・・、気になっていますけど・・・。」

 

 ポンッ!!

 彼女が急に僕の肩を、軽く叩いてきました。

 「やーね!

 もう敬語を使うのは、やめようよ!」

 女の子は、笑顔でした。

 どうやら先ほどのガット張りの時の、口調の変化から僕と彼女の距離は縮まったようなのでした。

 さらにムーンは、その話を続けました。

 「じゃあ、外に行こうよ!」

 「え?」

 「だから後で、アカデミーの外を歩こうよ!

 何かあるかもよ!」

 「・・・・・・う・・・。」

 僕は彼女の勢いに、圧倒されていました。


 「じゃあ、いまか1時間半後にアカデミーの門の前で待ち合わせね!」

 「・・・・うん・・・。」

 ボクはムーンの積極的な誘いを、OK(?)して、ひとまず寮の部屋に戻りました。

 この後、どの様な冒険が待っているのでしょうか・・・。


 

 

 


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