第2章 トューべの個人事業主達
トューベに着くと、夜中の0時過ぎだった。
ドラゴンゾンビ「魔王様、トューベに到着しました。」
ルーファスは、起きていた。
魔王・ルーファス「みたいだな。ったく、キャサリンのイビキがうるさくて寝れなかった。」
ゴーゴーゴーゴーゴゴゴゴゴ!!
キャサリンの工事現場のようなイビキが聞こえてきた。そして、その自分自身のうるさいイビキで、キャサリンが目を醒ました。
キャサリン「うぅ・・・・ルーファスのイビキがうるさくて、あまり寝れなかったわ。」
魔王・ルーファス「それはこっちの台詞だ!!イビキがうるさいのはお前の方だ!!お前のイビキで、俺は一睡もできなかったんだぞ!!」
ドラゴンゾンビ「あの~、二人ともイビキがうるさかったんですけど。」
キャサリン「そんなの嘘よ、私は女よ、女の私が、イビキをかくわけないじゃない!!」
魔王・ルーファス「とにかくキャサリン、今からこの町を荒らすから起きろ。」
キャサリン「夜中じゃない、朝にしましょう。」
魔王・ルーファス「朝荒らすと、単なる山賊と一緒になってしまう。俺は魔王だぞ、夜中に町を荒らすことに意味がある。」
ルーファスは、横になっているキャサリンの手を引っ張って、馬車から降りようとした。
キャサリン「ちょっと待って!!分かった、分かったからヒールを履かせて!!」
ルーファスはキャサリンの手を離し、ピンクのハイヒールを履くのを待った。キャサリンがハイヒールを履き終わると、馬車から降りて手を繋いだ。
魔王・ルーファス「ドラゴンゾンビ、町の外で待ってろ。」
ドラゴンゾンビ「分かりました。」
ドラゴンゾンビは馬車を牽いて、町の入口から遠ざかった。
ルーファスとキャサリンは仲良く手を繋いで、町の入口の門にあたる、2つの向かい合う石柱の間を歩いて入ると、夜の町を楽しむ陽気な人々の笑い声や叫び声が聞こえてきた。
突然、バレーボールがルーファスの顔面に当たった。
魔王・ルーファス「あいたっ。」
キャサリン「ルーファス、大丈夫?」
30代後半ぐらいの太ったおっさんが、ルーファスに近寄って来た。
太ったおっさん「見ない顔だな、おっさん。しかも、そんな綺麗な美人を連れて。」
ルーファス「なんだ、お前らは?こんな夜中にボールなんか投げて、何やってるんだ?」
太ったおっさん「おっさん、この町は初めてか?この町のルールは、女と手を繋いだり、イチャイチャして歩いたりしてはいけないんだよ。これは、魔王・オカモトさんが決めたルールだ。」
太ったおっさんの他に、どこからか5人の女にモテそうにない男達が集まって来て、ルーファスとキャサリンはたちまち囲まれてしまった。
ルーファス「お前ら、明日、仕事があるんじゃないのか?」
おっさん1「お前らみたいなバカップルをボコボコにして、金を奪う、それが俺達の仕事だ。」
おっさん2「トューベのハイエナとは俺達のことよ。」
おっさん3「この仕事の別名は無職だ。」
おっさん4「違う!!フリーターだ!!」
おっさん5「違う!!オカモトさんの請け負い事業だ!!」
太ったおっさん「いや、俺達は個人事業主だ!!」
魔王・ルーファス「救われない連中だな。」
キャサリン「全くどうかしてるわ。オカモトって男は、よっぽど女にモテないのね。」
おっさん3「さすが女、鋭いな。オカモトさんは魔法が効かない代わりに、女に全くモテないのだ。」
おっさん1「そうそう。オカモトさんは大金持ちで、金の力をもってしても女にモテない。なぜか女は去って行く。」
おっさん2「無駄話は終わりだ!!行くぞ!!」
無職のおっさん6人が、仲良く手を繋いだルーファスとキャサリンに向かって殴りかかって来た。
キャサリン「ルーファス、どうする?」
魔王・ルーファス「なぶり殺しだ!!」
キャサリン「OK!!じゃあ、ダークノヴァよ。」
魔王・ルーファス「ダークノヴァ!!」
ルーファスが魔法を唱えると、ルーファスの右手から円状の黒い霧が出て、拡がり始めた。




