自由な女達
ブルードラゴン・ギズモは、サダを睨みながらユナにテレパシーを送った。
ギズモ『ユナ、この女は前に見たことがあるわ。どうする?踏み潰そうか?』
ユナ『とりあえず、お兄ちゃんを保護しないと。』
ギズモ『分かったわ、私から離れたらダメよ。』
ギズモは、顎を地面につけて長い首を滑り台のようにして、ユナをソータの側に下ろした。
ユナは、仰向けに倒れているソータの頬っぺたを叩き、起こそうとしたが、ソータは起きなかった。
サダ「今だわ!!サンドストーム!!」
ユナとソータに向かって砂嵐が吹いたが、ギズモが側にいたため、二人を避けるように、通り過ぎて行った。
ギズモ『ったく懲りない女ね。』
ギズモは、顎を地面につけたまま口を大きく開けて、青白い炎を吐こうとした。
サダ「うわっやばいやばい!!カサブランカへムーヴメント!!」
サダは倒れているルーファス団長と共に、その場から消えていなくなったので、ギズモも炎を吐くのを止めた。
ユナ「お、重い。」
ユナは、なんとかソータを背負って、ギズモの首の上に置いた。
ギズモ『ユナ、よく頑張ったわね。さあ、帰るわよ。』
ソータとユナを乗せて、ギズモは寺の方へと飛び立った。
一 その日の夜 一
寝ているソータの側で、晩御飯を食べながら、ユナはミーナとミヤモトに、昼間にあった出来事を話した。
ミーナ「そんな事があったの。ごめんね、今日は林業課の人達と山の調査に同行していたの。」
ミヤモト「またその女、近々やって来るな。たぶん。」
ミヤモトは、ソータの手当をしているおばちゃん達に話しかけた。
ミヤモト「ソータは、後どのくらいかかりそうですか?」
おばちゃん達「そうね、今回はかなりダメージを負っているから、5日ほどかかりそうね。」
「今回の敵は、かなり強かったみたい。」
「こんなの初めてじゃない?」
ミヤモト「なに!!5日もかかるのか!!明日にでも、そいつが攻めて来たら厄介だな。」
ミーナ「あの女は何とかなるとして、その黒いオーラを纏う奴がやばそうね。ソータと相討ちになるぐらいだから。ユナちゃんとギズモ頼みね。」
ミヤモト「うむ。まあ、明日はみんな休みだから、なんとかなるだろ。」
ミーナ「ごめん、明日は私、デートなの。本当にごめんね。」
ミヤモト「フッどうやらお前は、魔法使いは副業で、男と寝るのが本業のようだな。」
ミーナ「なんですって!!あんた、喧嘩売ってるの!!」
おばちゃん達「ちょっとあんた達、静かにしなさい!!」
「ソータが寝れないでしょ!!」
一 カサブランカ市・マオウホテル 一
三角形で、7階建の白色のビル・最上階に魔王、サダ、そして、ベッドに横になって高熱を出したまま、寝たきりのルーファス団長がいた。
魔王「ご苦労だっな。サダ、ルーファス団長。」
サダ「魔王様、ポナ村の神社に、賢者の石らしき物があったんですが、余りにも大きいので、賢者の石じゃないかもです。」
魔王「そうか。七色の男は倒せなかったみたいだな。」
サダ「はい。ルーファス団長と相討ちで、後一歩でした。」
魔王「まあいい。とりあえず、ルーファス団長の手当をキャバ嬢達としてくれ。そうだなあ、ざっと5日ぐらいかかりそうだな。」
サダ「え?5日もかかるんですか?それにしても、魔王様はホテルまで経営してるんですね。」
魔王「ああ、そうだ。ラブホは意外と儲かる。サダにこれをやるよ。これは、このホテルの割引券だ。サダは美人だし、彼氏の1人や2人はいるだろ。」
サダは心の中で叫んだ。
サダ(魔王様、私が愛してるのは貴方です。いえ、貴女のお金です。私は、貴方の全財産が欲しい。)
魔王「どうした?サダ。浮かない顔をして。じゃあ、俺はちょっと用事があるから。」
魔王は、そう言うと部屋から出て行った。
サダ「やはり、男は経済力よ!!」




