今夜は眠れない
モツ鍋を食べ終わると、ミーナとユナは、隣の部屋に布団を敷き始めた。
ミーナ「ミヤモトさん、後片付けよろしく。それから、あんたはソータの隣で布団敷いて寝てね。布団はこっちの部屋の押入にあるから、今のうちに取り出して敷いといて。」
そう言って、ミーナは風呂場へ、ユナは歯磨きをしに部屋から出て行った。
ミヤモトは茶碗や鍋を炊事場へ持って行き、洗い終えると布団を運んで、ソータから少し離れた所へ敷き始めた。
ミヤモト「ったく、最近の女は生意気すぎる。こういう事は女がすべきことだろ。それにしても、ソータは大変だな。」
おばちゃん達「そうなの。でも、今日はまだマシな方かな。」
「そだね。まだ軽いほうね、明日には治ると思うわ。」
「そだね。」
ミヤモト(おばちゃん達、カーリング見すぎだろ。)
ミヤモトが布団を敷き終わると、風呂場から戻って来たミーナが、寝巻き姿で言った。
ミーナ「ミヤモト、ユナちゃんが出たら、風呂行きな。」
ミヤモト「いきなり呼び捨てかよ!!俺はお前より歳上だぞ!!せめて、そこはミヤモトさんだろ。」
ミーナ「おやすみ。ミ・ヤ・モ・ト。」
ミーナはそう言って、隣の部屋に行き障子を閉めた。
ミヤモト「あのクソアマ!!腹立つわ!!」
それから少しして、寝巻きのユナが来たので、ミヤモトも風呂場へ向かった。着替えは、ソータのを借りることにした。
一 深夜 一
ミヤモト「チョレイ!!」
ミヤモトは、そう叫ぶと隣の部屋に行き、ぐっすり眠っているミーナの横腹に、布団の上から蹴りを入れた。障子が開けられ、ソータの部屋の明かりがとどき、立っているミヤモトの姿が、ミーナの目に入った。
ミーナ「うぅ・・・・痛ッ。キャッちょっと、なに蹴りを入れてるのよ!!このバカ侍!!」
ミーナは、枕元に置いてある水晶を見ると、時間が表示され、まだ夜中の2時だった。
ミーナ「まだ夜中の2時じゃない!!あんたは明日も日曜日だけど、私は仕事があるの!!あんたと遊んでいる暇はないの!!次起こしたら殺すわよ。」
ミヤモト「チョレイ!!」
そう叫んでミヤモトは、なかなか起きないミーナの横腹に、再び蹴りを入れた。
ミーナ「殺す!!」
ミーナは起き上がった。
ミヤモト「ソータが少し寒いそうだ。お前の魔法で、ソータの部屋を暖かくしてやってくれ。」
おばちゃん達「ミーナちゃん、夜中に悪いんたけど、ちょっと部屋を暖かくしてくれる?今夜は少し冷えてて。」
「そだね。この村は山間部だから、気温が低いのよね。」
「そだね。」
ミヤモト(だから、おばちゃん達、カーリング見すぎだろ。)
ミーナはバッグから透明の水玉模様のついた杖を取り出して、魔法を唱えた。
ミーナ「ヒート!!」
唱えるやいなや、ミーナはさっさと布団の中へ入って横になった。
ミーナ「ミヤモト!!次起こしたら、絶対殺すわよ!!」
ミーナの魔法で、部屋は少しずつ暖かくなり始めた。
ユナもミヤモトの叫び声で目が覚めていたが、寝たふりをしていた。
ユナ(私も明日、学校があるのに、うるさくて眠れない。)




