七色の男
とある山奥に、小さいながらも人々の活気に溢れた村があった。
村の人口は4000人弱。今でも少しずつ人口が増えつつあった。この山を越える旅人達は必ず立ち寄り、また、隣の国へ遠征に向かう騎士達の拠り所でもあった。この村は、度々魔物や山賊に襲われたが、村にいる者達が傷つくことはなかった。それは、青年・ソータ16歳と、その妹ユナ10歳の存在があったからであった・・・・。
夕暮れ時、ソータとユナは茶畑で茶摘みを終え、家へ帰ろうとしていた。すると、そこへ、中年の農民ふうの村人の男が走って来た。
村人・男「ソータ!!大変だ!!ゴブリン達が村へ向かって来ている。ざっと50匹ぐらいだ!!」
ソータ「ゴブリンか、分かりました。ユナ、先に寺へ帰っといてくれ。」
ユナ「大丈夫?ギズモ呼んで来ようか?」
ソータ「ゴブリンごときでギズモを呼ぶようじゃダメだ。俺一人で充分だ。」
ユナ「分かった。気をつけてね。」
ソータ「大丈夫、楽勝さ!!」
ソータは、村人の男の後について茶畑を下り、村の入口に着いて仁王立ちをして、ゴブリン達が来るのを待った。それから5分程して、隊をなしたゴブリン達50匹程が現れた。ボスふうの少し大柄なゴブリン・キングが、ソータとソータの後ろでフライパンや鎌、トンカチやカンナを持って構えている村人達に向かって叫んだ。
ゴブリン・キング「今からこの村をボロボロにしてやる。お前らみんな皆殺しにして、この村に有る物全て奪いとってやる。命乞いしたって容赦しねえ。骨の髄までしゃぶりつくしてやる!!」
それを聞いたソータは激怒し、黒かった髪は金髪になり、体中が七色に輝き始めた。
ソータ「上等だ!!お前らこそ、ここから生きて帰れると思うなよ!!村の皆には、俺が指一本触れさせない!!お前ら全員、地獄行きだ!!うおおおおおおおお!!」
ゴブリン達「ヒイイイイイイイイ!!」
ソータの気迫に、ゴブリン・キング以外のゴブリン達はビビり、逃げ腰になった。
ソータ「行くぞ!!オラッ!!容赦しねえ!!」
ゴブリン達「うわああああああああ!!」
ソータはゴブリン達の群れに向かって突進し、パンチと蹴りでゴブリン達を次々と倒し始めた。
ゴブリン・キング「な、なんだコイツは!!こんな鬼神のようなガキがいるとは!!」
ゴブリン・キングはゴブリン達に指示を出した。
ゴブリン・キング「お前ら、弓だ!!少し距離をとって、弓をコイツに向かって放て!!」
残っているゴブリン達は後退りして距離をとり、ソータに向かって弓を放ったが、七色に輝くソータの体に当たるもパタパタと弓は、地面に落ちた。
ゴブリン・キング「なんだコイツは!!弓が効かない!!一体どうなってるんだ!!」
多くの弓がソータに当たったのを見て、何人かの村人のおばちゃん達は、コソコソ話を始めた。
村人のおばちゃん達「あらっ攻撃が当たっちゃったわね。」
「明日1日ぐらいは寝込むかもよ。」
「どちらにしても、この闘いが終わったら、ソータは寝込むわね。」
「じゃあ、そろそろソータの寺へ行って、布団敷いてご飯の準備をしようか。」
「そうね。ご飯はお粥がいいと思う。たぶん、高熱が出てうなされると思うから。」
「分かった。」
おばちゃん達3人は、ソータとユナの暮らす寺へと行き始めた。
ソータはゴブリン達に向かって、勢いよく走り始めた。
ソータ「俺にそんな武器は通用しない。お前らは、一人残らずぶちのめしてやる!!」
ゴブリン達「ヒイイイイイイイイ!!」
ゴブリン達は逃げ始め、ゴブリン・キングだけがその場に残った。
ゴブリン・キング「この化物が!!この俺の斧で、その体を真っ二つにぶったぎってやる!!さっきの弓程度の威力と思うなよ!!マッスル・ブレイク!!」
ゴブリン・キングは、走ってくるソータ目掛けて、プロ野球選手並の鋭いスイングを放った。
ちょっとソータがスーパーサイヤ人ぽくなってしまいました。
よかったと思う方、続きが気になる方はブックマークの方をよろしくお願いします。