おバカな姫
「へ?」
「あぁごめん、それで君は?」
「私はリーベルと、ではなくただ単純にフランシスカです。」
もうだめだよ~この子馬鹿すぎるよ。
「そうなんだ、それでフランシスカは何を?」
「城下町で冒険者に会いたいと思い来ました!」
フンス!と鼻を鳴らす王女さま。
だめだ、城下町とか言ったら正体言ってるようなもんだろ。
「はぁ~」
思わずため息が出た。
「あっあの?どうかしました?」
これはクエストなんだろうな。何かレアものもらえるかもしれないし乗ってみるのもいいな。
「いや、なんでもないよ、それより俺も王都来たばかりだし一緒に行く?」
すると王女はうれしそうな顔をして
「ホントですか!あっそれとお名前は?」
「あぁ俺はウルっていうんだ。」
「ウルさんですね!鬼人ですよね?」
「そうだよ。」
「うわ~ホントにいたんですね!初めて見ました!鬼人は東の島国にいるって聞いたんですけど、なんでウルさんはこちらの大陸に?」
「ん?あ~俺は異人だからね。」
「あっお父様・・じゃなくてお父さんがが言ってました!少ししたら異人がいっぱいくるって!」
「それは誰が言ったの?」
「神様が信託をしたって聞いています。」
GMが処置したんだろうな。
「異人は強いっていいますし、ウルさんに頼みたいことがあるんですけど!」
「え?やだよ?」
「え?」
しまったいつもの癖で反射的に断ってしまった。
クエスト報酬クエスト報酬と心の中で言い聞かせる。
「ごめん、それで頼みごとって何かな?」
「え?はっはい、えっとダンジョンにあるっていうエリクサーを持ってきてほしんです。」
なるほどな、だから冒険者を探しに行くところだったんだな。
「いいけど誰かに使うの?」
フランシスカが急に悲しそうな顔になり泣き出してしまう。
「おっおいどうしたんだよ。」
ほらほら周りの人見てるから、勘弁してくれよ~
「わ、わだじをがばっって、ひぐっ、おがあさまが、呪いにがかっでじまって。それをなおすためにびずよなのでず。」
お~お~美人ってのは泣いていてもかわいいのか。ってそうじゃなくて。
「わかった、わかった俺がとってくるからな?泣き止んでくれよ。」
じゃないと俺が死ぬ、心が死ぬ!
「ひっぐ、あぎがどうございまず」
はぁ~めんどくさいけどクエストみたいだからな。報酬に期待しよう。
画面にクエストの文字とかないけど、大丈夫だよね?
すると騎士が集団で俺たちの近くに来た。
「おい!貴様!姫様に何をした!」
あ~めんどくさい人が来ちゃったよ。
「いや、俺はなんもしてないですよ?急に泣き出して。」
「嘘をつくな!」
「いやなら何で嘘って決めつけるか言ってごらんよ。どうせ俺が近くにいるから疑ってるだけでしょ?」
「あたりまえだ!それが何よりの証拠じゃないか!」
「じゃぁその姫様に聞いてもし違ったらどうするの?」
「その時はその時だ!」
「それじゃぁ俺の収まりがつかない、もし違ったら仕事やめてね。」
「なんだと!そんなことを何故私がしなければならない!」
「人を一方的に疑うことは罪だよ?」
「そんなことあってたまるか!まさかお前が言い逃れしようとしているんだな!」
「まぁいいや、貴方の名前は?」
「罪人に名のる名はないが最後だ教えてやろう。王都王国騎士団副団長リハエルだ!」
「副団長!」
「そうだ!貴様が逃げようとしても力ずくで捕まえることもできる!」
だがウルはそこに驚いたのではない。
こんな奴が副団長なのか!王都大丈夫か!
すると姫様が。
「あ、あのウルさんは罪人ではありませんよ?」
「姫様!」
「それとウルさん、実は私この国の王女だったんです!」
いやそんな笑顔で言われても、初めからわかっていたよ?なにその驚いただろうみたいな顔。
むしろ今まできづかないと思っていたあなたに俺は驚きだよ。だが一応
「まじか!」
「はい!本当の名前は リーベルト・フォン・フランシスカです。」
「隠していて申し訳ありません。」
「では。今後の話もしたいので一度城にきてもらえます?」
次回副団長、散る?