小夜の物語
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昔々あるところに、それはそれは美しいお姫様が大きな大きなお屋敷に住んでいました。
しかし、お姫様には秘密がありました。
彼女は月の都のお姫様だったのです。
そして、月へ帰らなくてはならない運命でした。
彼女は地球を愛していました。
彼女の、月へ帰りたくないという思いは膨らんでいきましたが、ある満月の日月から使いの者がきたのです。
そしてお姫様は、とうとう月の都へ帰っていってしまったのでした。
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【なんて、これは私のお母様のお話ですけれど…。】
【私の名前は小夜。かぐやという名前のお姫様を聞いたことがありまして?】
【それは私のお母様の名前ですわ。】
彼女が時計を見ると登校ギリギリの時間になっていた。
【あら、もうこんな時間。私はこれから学校の時間ですので失礼いたしますわ。】
この時彼女はまだ知らなかった。
自分が母親と同じように、
"あの"汚れた地球に送られることになるとは。
ー3年1組 月の宮 小夜ー
先日行った中間試験の結果により、
上記のものに地球送りの期間を与える
※この期間は試験の成績が学年で最も
低いものに与えられるものである。
月見学園理事長 兎 卯月