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憂鬱の雨
雨が
とても憂鬱で
鬱陶しくて
誰かの言葉の湿度が
妙に高くて
苛々する
雨が
雨が
降りしきる
言葉を遮断する
その勢いで
大人達は傘をさして
急ぎ足
子ども達は合羽を着込んで
雨音のワルツ
しかし僕は
雑音の雨で
孤独のダンス
嘆きの言葉
孤独を
孤毒に
変換しなおす。
あえて、あえて。
雨をその手ですくう。
耳をすましてみる。
匂いを感じてみる
伝う冷たさを漫然と感じてみる
雨が目にしみる
でも、冷たいだけじゃない
何かが僕の中で灯っている。
霧雨の中、手探りで歩く
でも、暗闇では無い、この事実
まだ、いける。




