閉鎖
言葉途絶えた
世界にお別れを告げに来た君に
僕はもう何も語れない
骨になりかけた僕を救ってくれた
一滴の言葉魔法
魔法は花に。
花は空へ
種が旅を
紡いだ歌が
消えるだけ。
僕は手を振る。
泣きながら。
言葉でしか繋がらない
子供たち。
今だから言います。
感覚だけでリンクできた
貴方のことが好きでした。
言葉途絶えた。
息途絶えた。
僕 声を忘れた。
六月が終わらないまま
夏が来て、降り止まない雨。
雨。雨。雨。
涙。
それは枯れた。
雫。
痛く。
紅く。
血潮。
流れゆく契り、それだけを信じて
ノイズと消える
七つの世界を越えても
君とは出会えない
閉塞した世界で
言葉を締め出し
呼吸を忘れた
今この瞬間
亡骸を抱きしめることも許されない
六月を抜け出して
走り続ける君が
誰かと手と手を繋ぐ幻影が
甘く苦く
酔うこともない 冷たい悪酔いで思い描く
君がくれた言葉が なおさら冷たくて
言葉は途絶えた。
出す手紙はもう無い。
語るべき言葉も無い。
歌う音色も思いつかない。
だから声にならない声で
貴方に聞こえないように
今だから言います。
感覚だけでリンクできた
貴方の言葉が大好きでした。
言葉途絶えた
息も途絶えた
願いも途絶えた
もう貴方の幸は祈りません
祈ってくれる人は一人いれば充分でしょう?
だから今は
一人で戦い続ける自分のために。
骨になりかれた僕を救ってくれた
言葉魔法をただ信じて
戦い続けます。
全ての人の幸のために。
貴方がくれた言葉魔法を
ただ信じて
過去詩です。
今の嫁さんと付き合う前のすれ違いを衝動的に書いた詩だとか、そんな事は内緒なのです。