ドラゴンハート
ドラゴンに向かって駆け走るトワ、ドラゴンもトワを敵と認識して体を起こす。
体を起こしたドラゴンはやはりデカかった建物が聳え立つような圧迫感である、しかもそれがトワに目掛けて迫るのだ。
ドラゴンは翼を羽ばたかせ風を作り出す、トワは片方の手に持ったナイフを地面に突き刺して踏ん張っていると、ドラゴンは尾を振りトワのいる辺りを薙ぎ払う。
ミリアは薙ぎ払われた場所を見るがそこにはトワの姿が消えていた、トワはドラゴンの尾に潰されてしまったと思ってしまったが、次の瞬間、ドラゴンが悲鳴に近い咆哮をあげる、ミリアがドラゴンの尾を見ると、トワはナイフを突き立て張り付いていた。
「小さい傷ぐらいで、そんなに暴れるなよ、泣くならここまでされてからにしろよ」
ドラゴンの尾を切り裂く、そしてトワはそのままドラゴンの体内に浸入していく、ドラゴンは更に暴れ始める、いや、あれはのたうち回っているのだろうとミリアは思った。
ミリアはドラゴン退治の逸話や昔話等を聴いて育ったが、これはドラゴン退治なのだろか?。
本来ドラゴン退治は軍隊や英雄達が苦労を重ねて成されるもので、こんなドラゴンの体内を縦横無尽に動き回ってドラゴンが成す術もなく虫の息になるのは、どうしてもミリアには納得出来ないと思った
時折ドラゴンの皮膚が破裂する、トワが呼吸穴の為に開けているいるのだろが、この光景がミリアのこれじゃないという気持ちに拍車を掛ける。
そしてドラゴンはその巨体支えきれずに地面に倒れる、最期に一度痙攣してドラゴンの悲痛な慟哭が響き辺りは静寂になる。
ああ終わってしまったとミリアは思う、もう少しドラゴンには頑張って貰いたかった、トワが危険なのは解るがそれでもドラゴンに対して対峙したと思えるような戦闘を繰り広げて貰い、最初の一撃だけで後は転げ回っていたドラゴンには多少の同情をしてしまう。
ドラゴンが動ごかなくなって、未だにトワが出てこないために、ドラゴンが息絶えた事を確認しで出来るだけ近くに行こうすると、竜の背中が盛り上がって破裂して周囲に血の雨が注ぐ。
そこからトワが血塗れに成りながら竜の背中から出てくる、竜の身体に入る前には持っていなかった長剣を片手に携えて。
「大丈夫ですか!?」
「今は生臭いから近寄るなよ」
「色々言いたいことが有りますがトワさん、その剣はどうしたのですか?」
「ドラゴンの心臓を切り裂いた時にナイフに当たった、このナイフに負けない硬度の剣が有るとは思わなかったから、持ってきた」
「竜の剣ですか、では名前はドラニカルブレードですか?」
「竜の心臓から出てきた剣だから、竜心剣でいいんじゃないか?」




