魔都に漂う者 12 蹂躙
盗賊と思われる一団と対峙する、向こうは明らかな敵意を向けてくるので容赦は要らない 、馬車と盗賊の中間まで一気に駆け抜けて大きく振りかぶる。
振りかぶりトワはナイフを投擲して盗賊達の手前に刺さる、盗賊達はトワの行動を見て滑稽と笑いながら前進してくる。
トワはナイフを極細ワイヤーで手繰り寄せる、盗賊達がトワのナイフを刺した辺りに差し掛かると地面が突然に大きな音を出して爆破する。
爆破の破壊力は高くは無いために盗賊達に被害は出てはいなかったが高音で馬がパニックを起こし暴れ始めた、制御仕切れず落馬をした盗賊は馬に蹴られ動かなくなる、制御に手子摺っている盗賊はトワのナイフが撃ち抜きワイヤーを操作して次々に盗賊を無力可していく。
三十人程いた盗賊達はトワの一方的な攻撃に為す術も無く残り数名になっていた。
ナイフに付いた血糊を取り出した布で拭き取りながら盗賊の残党に近付く。
「な、なんなんだよお前」
盗賊は我武者羅に武器を振るってトワを近寄らせないようにするが、トワは周囲の盗賊の死体から剣を抜き投擲する、剣は盗賊の肩口に深く突き刺さる。
「い、いでぇぇぇ、いでぇ誰かこれを抜いてくれ」
他の残っている盗賊に助けを求めるが、トワに対して尻込みして動けないでいる。
「誰に雇われた?」
トワの言葉に盗賊達は固まる。
「もう一度聞く、誰に雇われた、言えば見逃してやる」
トワの言葉に盗賊達は反応して聞き返す。
「ほ、本当に見逃してくれるのか!?」
「ああ」
トワに確認を取り盗賊達は頷きあって代表の盗賊が話始める。
「魔都で黒衣の服を着た男で名前はレー、ぎゃーー」
森の方から火球が飛んできて盗賊を焔が包み込んだ、森の方を視ると森の中を走り去っていく影が見えた。
焔に包まれた盗賊は焔を消そうとした痕跡と呼吸困難で苦しみ藻搔き死んでいった様だ。
馬車に戻っていくと護衛達にお疲れ様でしたと声を掛けられた、馬車に乗り込むとマリアの顔色が優れない様だった。
「大丈夫か?」
「すいません、血生臭い事に慣れていなので」
「馬車を少し走らせて休憩出来るような場所を探すように伝えるよ」
「お手数おかけします」
マリアがトワに謝罪するが、トワは気にしないようにと伝えて護衛の馬で移動している者に休憩出来る場所を先行して探しに行ってもらう。
「マリー、取り合えず横になっていればいい」
椅子の片側をマリアだけにして横になれるようにする。
「あ、あのトワ様にお願いが」
「なんだい?」
マリアがお願いをしてくるので聞く。
「トワ様の膝をおか、お貸しくださいませんか?」
マリアの言葉にソフィアとキティがピクッと反応する。
「構わないが男の膝は寝心地は良くないだろう?」
「そーです、マスターの膝はダメです、そこの猫の人の膝を使うのです」
ソフィアが反対してキティの膝を使う様に提案する。
「ソフィちゃん、トワ様の膝が丁度いい高さなの」
マリアは頭の置く位置を手で叩いて指定する、トワが指定された位置に移動するとマリアは嬉しそうに、ソフィアは力無く崩れ落ちた。
「し、失礼します」
マリアがおそるおそる頭を乗せてくる、マリアの髪からフローラルな匂いがした。




