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魔都に漂う者 2

 王城に着くや否やキティに出迎えられそのまま王の執務室に通された。


 机の書類置いてベカはトワと向き合う。


「戻ったかトワよ、疲れているところ済まないが、まあそこに腰を下ろせ」


 ベカに応接用のテーブルとソファーが置いて有る方を指示されたソファーに座る、そしてベカは呼び鈴でメイドを呼び飲み物用意させる。


 お茶を用意されると、正面のソファーにベカは座り話を切り出す。


「父上から明日、マーニャの護衛依頼を受けていると思うが、私からも依頼したいことが有る」


「依頼?、内容は?」


「魔都の近くにて、闇の巨人の組織の活動が報告されている、それの調査そして可能ならば壊滅を依頼したい」


「魔族の対応は?」


「取り敢えずは様子見をしている様だが、本格的な動き無い」


「では何故こちらが動く」


「それはな魔王は様子見だけを考えているが、魔王の子から調査をする人員を借りたいと要請が有ってな、我らも隣国であるが為に対岸の火事と傍観している訳にはいかないのでな、マーニャの護衛する人員に調査隊を混成させて向かう事になっている」


「自分の役割は?」


「調査隊は外部の調査をするので、マーニャの護衛として深くまで行けるお主に内部の調査をお願いしたい」


 トワは少し考える様な仕草をしてから、承諾する。


「して報酬は何か欲しいのが有るか」


「いや、今の処必要なものはない、取り敢えずは貸しとして置く」


「くくく、国王に貸しか、良かろうでは頼むぞ」


 トワは執務室を後にする、自分の貸し与えられた部屋の扉を開けると室内にはキティとエリザがいた、エリザはトワに気が付くと駆け寄ってきた。


***エリザ視点


 トワお兄様が帰ってきた連絡が有ったので私はメイドの人にトワお兄様の部屋に行くが、ノックして扉が開くとトワお兄様の専属メイドのキティさんが出る、キティさんにトワお兄様の事を聞くと、お城に着いたら直ぐにお父様に呼ばれて向かわれた言われた。

 肩を落とした私を見たキティさんがここでお待ちしますか聞いてくるので私は簡捷的に首肯くとキティさんにテーブルに案内され座って待つ事に、キティさんがお茶とお菓子を用意してくれた。


「キティさん、今何かやることが有りますか?」


「いえ、トワ様がお帰りになられるまで特にございません」


「でしたらお話に付き合って貰えませんか?」


 キティは笑顔で答える。


「はい、私で良ければお付き合いいたします」


 エリザとキティは他愛の無い世間話から色々な話をしていると、唐突に扉が開き心待にしていた人物が入って来た。


 私は嬉しくなりつい駆けてしまった、走りなれていない私は足が縺れ転びそうになって私は目を瞑ってしまい、衝撃が来ると身構えていたが、衝撃は来ずに逆に不意に優しく包まれた、目を開けるとトワお兄様に抱き留められていた。


「大丈夫かエリー?」


「は、はい、ご、ご免なさい」


 私は慌てて離れ床にへたり込む、でもよく考えたらもう少しトワお兄様に抱き締めてもらっても良かったと思っていると、トワお兄様は手を差し出す。


「え?」


 私は差し出された手を見て固まる。


「何時までも冷たい床に座っていると体に悪いぞ、ほら、掴まれ」


「ありがとうございますトワお兄様」


 おずおずとトワお兄様の手を握る、トワお兄様の手は大きくて男の人なのにすべすべしていた、私が掴んだのを確認して立たせてくれた。


「トワ様、お食事はいかがなさいますか?」


「簡単な物でいいのでこの部屋摂りたいのだが構わないか?」


「畏まりました」


 キティさんはお辞儀をして退出していく。


「エリー」


「は、は、はい」


 急に話を振られてどもってしまいました、恥ずかしい。


「エリーはどうしてここに?」


「そ、それはですね」


 トワお兄様を待っていた理由が下らない事であるが勇気を振り絞って言う。


「トワお兄様がこの数日、冒険に出掛けたと聞きましたのでお話を聞きたくてお待ちしてましたが、ダメでしょうか?」


 言っていて少し涙目になっているのが自分でも分かる。


「そんなに楽しい話では無いけど構わないのか?」


「はい、全然構いません」


 トワお兄様は私を椅子にエスコートしてから、外套を脱いで正面の椅子に座り話を始めてくれた。


 トワお兄様が語るお話に胸を高鳴らせ聞いていく、嗚呼、この時間がずっと続けばいいなと思いながらトワお兄様を見つめる。

ご愛読ありがとうございます。


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