茜いろのダンジョン攻略3
トワ達は二階の探索が終わって、三階に到達した、道中はレッサーウルフやゴブリン等の魔物が現れたが、リリアの訓練を兼ねて戦闘を任せて危なくなったらトワが手伝う手筈だが、今の所リリアとチーチェとコロラの三人で事足り、トワは手持ち無沙汰でいたので、リリアに手伝うかと尋ねると。
「師匠は見ていてください、それよりも」
と、この時はどうすればいいか?、こうすればどうか?と、師匠、師匠とまるで子犬の様だな、見えない尻尾がぶんぶん振っているように見える。
「落ち着けリリア、いいかい油断は何でも殺すからな」
「は、はい師匠」
リリアはトワの言葉で気を引き締める。
「チーチェとコロラは大丈夫か?」
「はい、問題無いです」
「三階ぐらいだとまだまだ余裕だよ」
「二人も余り気を抜くなよ」
「はい」
「は~い」
チーチェとコロラにも注意を促して、歩を進める、陣形は最初だけトワが先頭にいたが、今はリリアはトワの横にぴったりと寄り添って来て、その後をチーチェとコロラが付いてくる隊形になっている。
三階を探索して幾度かの戦闘を繰り返し、四階への階段を見つけると、コロラが提案する。
「ここら辺で、お昼にしよ」
「「はい」」
「昼食?」
「はい、朝に宿の台所をお借りして簡単な料理ですが作ってきました」
四階の階段がある場所から少し戻った小部屋に行き、チーチェが敷物を敷いてバスケットを取り出して、リリアは水筒から人数分の飲み物を準備している一方、コロラは線香の様なものに火を点けている。
「コロラ、それはなんだ?」
「ああ、これはね魔除け香って言って、魔物が寄せ付けない臭いを出すの、だからキャンプする時には必須アイテムね」
「便利な物だな、使ったことが無いから、今度は使ってみよう」
「あなた、冒険者よね一番下のペイナイトだけど、冒険者なら基本中の基本でしょ!?」
「世情に疎くてな、それになければ無いでやりようはあるもんだよ、まあ、余りおすすめはしないけどな」
「トワさん、コロラ姉さん、準備出来ましたよ」
チーチェが声を掛けてきた、シートにはパンが乗った皿が人数分置いてあり、その横にはコップに飲み物が添えてある。
「これはチーチェが?」
「いえ、私は料理出来なくて、これはコロラ姉さんが作ったです」
トワは腰を掛けて料理を見る、パンに挟まれて、グリーンリーフ、ベーコン、目玉焼きが具材に挟まれている。
「それじゃ頂きましょ」
チーチェとリリアはお祈りを始める。
「コロラは祈らないのか?」
「私は歌と芸術の神ですからね」
そんな話をしているとチーチェ達の祈りは終わった様だ。
トワは料理をひと口食べると、マスタードとケチャップで味付けされてあり、酸味と塩味が口に広がる。
「旨いな」
トワの言葉でコロラが笑う。
「それは良かった、場所で味付けが違うからシンプルな味付けにしてみたんだよね」
トワは箸休めにコップの飲み物を飲んでみる。
「!?」
トワが飲んだ飲み物は炭酸飲料だったので驚く、この辺りは地形感知で周囲の水は汚染の被害が無いので、一般に炭酸飲料の発達がしている事にこの世界の情報を修成が必要だ。
【は~い、ニーナちゃんの時間だよ】
【217の補足講座】
世界最古の炭酸飲料は彼のクレオパトラが飲んでいたと言う逸話が残っています。
クレオパトラが飲んでいたとされる炭酸飲料は真珠を溶かしていたとか、一杯幾らの飲み物なんでしょう?
しかもクレオパトラの炭酸飲料は健康飲料として飲んでいたので、現在の炭酸飲料のイメージのものすごく甘い飲み物ではなく、素の炭酸水だった様です。
以上、217ことニーナちゃん補足講座でした。
「どうしたの?」
「いや、今空耳がして」
今ニーナは休眠モードのはず。
「「「ごちそうさま」」」
「はい、お粗末様でした」
食事が終わって四階に降りて探索してからもうすぐ五階の階段が見えてくる頃、冒険者のグループがこっち歩いて来ているが、冒険者達は覇気が無く装備もボロボロで所々に怪我をしていた。
「あんたらどうした?」
「ご、五階の大広間にイレギュラーが」
「イレギュラー?ってなんだチーチェ?」
「えーとですね、ダンジョンの五階もしくは十階に出現するゲートキーパーと呼ばれている魔物がいるんですが、稀に魔素が濃い所でしか出現しない魔物が出てくる事をイレギュラーと呼ばれています」
トワは冒険者達を見ると、コロラは怪我をしている冒険者の治療をしている、冒険者達の傷を見ると噛み傷や裂傷が目立った。
「なあ、どんな魔物だったんだ?」
「やたらデカイ、ハウンドウルフだよ」
比較的に軽傷の冒険者が答える。
「そうか、情報提供感謝する、チーチェ達はそこの冒険者達と戻れ、自分はイレギュラーを見てくるよ」
「き、危険です師匠、イレギュラーの対応はギルドが緊急依頼として扱うのです、それを一人で見に行くのは死にに行く事ですよ」
「たぶん、自分はそのイレギュラーと戦いたいんだよ、大丈夫、自分だけならなんとかなるさ」
トワはこの世界での限界を知りたいが為に、一人でイレギュラーに挑む事を考えて五階を目指して歩きだそうとすると腕を掴まれた。
「師匠が行くのなら、私も行きます」
トワを掴むリリアの腕は震えていた。
「リリア、恐いのなら無理をしないで帰れ」
「私もトワさんと行きます」
「チーチェ、君もか」
「冒険者の治療は終わったから、私も行けるよ」
「コロラ、君がこの二人の首根っこを引きずって連れて帰るじゃ無いのか、この場合?」
「な~に言ってんの、イレギュラーなんて滅多に見れないから仲間外れはイヤよ」
トワは肩を竦めて仕様がないなと仕草をして五階を目指して歩きだす、その後ろに三人の女性を引き連れて。




