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歌姫

 現在、茜いろのダンジョンに向かって移動中だ、正確には茜いろのダンジョンの近くにある村にだ。


 あれからすぐに王都から出ている馬車に乗った、最初はそのまま茜いろのダンジョンに向かう物だと思っていたが夜のダンジョン攻略は危険らしいので、すぐ近くにある村で一泊して翌日にダンジョンに向かう事になった。


 何故村の近くにダンジョンがあるかとナーガルに質問すると、村の近くにダンジョンが有るのではなく、ダンジョンが近くあるから村が出来たそうだ、理由としてダンジョンから出てその足で何処かに向かうのは危険等が伴う為に宿場町として発展したという、そのお陰で馬車の発着が出来るようになったとナーガルが説明してくれた。


 夕方頃になってようやく村に着いた、村の入り口に〔ようこそ、鷹栖村に〕と看板がありメインの左右に建物が連なり、メインの一番奥にダンジョンの入り口が見えた。


「うー、気持ち悪いー」


「アルにぃ止めてよね恥ずかしい」


「揺れる、うぷ」


「お父さん、恥ずかしいから止めて」


 ナーガルとアルタが酔っ払っている、それをチーチェとリリアは冷やかな対応をしているが、親兄弟だから放っておけない様だ。


「すいませんトワさん、先に二泊で宿を取って来てもらっていいですか?」


「部屋はどうする?男部屋と女部屋で取ればいいか」


「リリアちゃんそれでいいよね」


「はい、チーチェさんと一緒なら大丈夫です」


 トワは宿を探し始めると、夕方頃でもあり冒険者や客引き、売り子などで賑わっている、ナーガルが教えてくれた宿に向かうと

、エプロンを着けて髪を後で束ねいる店員らしい少女が店先の看板のおすすめメニューを書いているので尋ねた。


「尋ねたいがこの店の店員か?」


「はい、お客さんですか?」


「ああ、部屋を二部屋取りたい」


「ちょっと待っててくださいね、おかーさん、お客さんだよ」


 少女は店に入って母親を呼ぶ、どうやら少女は宿屋の娘だった様だ、店に入るとカウンターに少女がおり、カウンターの奥から少女に似ている女性が出てきていた。


「お母さん、この人が泊まりたいって」


「はいはい、お客さん素泊まりで大銅貨五枚で朝晩食事付だと大銅貨七枚だよ」


「三人部屋と二人部屋で、五人の宿泊食事付二泊で頼む」


「えーと、銀貨六枚だね」


 ウエストパックから金貨一枚を取り出し渡しお釣を受け取る。


 部屋の手続きが終わったら調度良く、他のメンバーが宿屋に来た。

 ナーガルとアルタは道中で馬車の中で竜殺しと言う火酒でアルコール度数が80あるのだが甘口でとても呑みやすいが反面、急激に酔いやすい酒だと言う、それを馬車に同乗した商人さんがおめでたいことがあったとナーガルと呑み始めアルタも興味津々で見ていたらナーガルに薦められて呑んだので、この状況になった。


「トワさん助かります」


「二人はどうだ?」


「今日は大人しく寝かせて置けば明日には治ると思います」


「お客さん、それじゃあお部屋に案内するね」


 宿屋の娘に付いていく、二階に上がり奥の部屋までくると振り返る。


「右側が二人部屋で、左側が三人です、夕食はもうやってますから、一階の食堂に来たら、私かお母さんに声を掛けてくださいね」


 宿屋の娘はそう言って戻って行く。


 部屋にナーガルとアルタをベットに放り投げる、ちなみに宿まで二人を運んだのは、村の警備の男性達が運んだ、別れ際にチーチェとリリアに声を掛けていたが、自分が声を掛けると逃げるように帰って行った。


 荷物を部屋置き女性陣の部屋をノックする。


「チーチェ、リリア、夕食を食べに行かないか?」


 扉が開くとチーチェが顔を見せる。


「あ、トワさん、すいません、荷物を解くので先に行っててもらえますか」


「分かった先に行く」


 階段を降りて食堂に向かう、食堂は酒場を兼用してある様で、既に宿泊客達が酒や食事等を楽しんでいた。


「ちょっとどうなってんの‼」


 ホールの奥から女性の声が響いた、声の方を見るとステージが有り、その上で人が集まって何かをしている。


「どうしたんだ?」


 近くにいた宿屋の娘に声を掛けて状況を聞く。


「あ、お客さん、実は今日旅の歌い手さんが来てまして、うちで興行する事になったですけど、ステージにあるピアノが壊れているらしくて音が出ないそうなんですよ、たぶん最近使っていなかったので音響師に診てもらって無かったから」


 なるほど、状況を理解したのでステージに近付く、ステージ上にステージドレスにロングのストレートが栄える二十前後の女性に声を掛ける。


「直りそうか?」


「直らないわよって貴方誰?」


「只の旅人だ」


「旅人に用はないわよ」


「修理してやろうか?」


「え、貴方修理出来るの!?」


「多分な」


「自信無さそうね、でもこのままでも埒が明かないからお願いするわ」


 トワはとても手先が器用なので機械や複雑化したものいじるのを趣味にしており、暇が有ればパズルなどで過ごしたりする。

 ピアノに近寄ってトワはデバイスを操作して状態を確認する、ピアノの予備パーツが有るか宿屋に確認すると今回必要な分の物は有った。


 トワはウエストパックからマルチツールを取り出す。

(説明 マルチツール)

********************

十徳ナイフではなく、液体金属が使用者の脳波をトレースして形状を変化させあらゆる形状を再現出来るが、欠点として明確なイメージと造詣に明るくないと使えない為にファジー的な使用は出来ない。

********************


 デバイスで診断した修理が必要なパーツを取り換え、音律をデバイスの機能使い適正に合わせ修理調整を終らせる、細かい修理調整はデバイスを使用した。


「終わったぞ」


「嘘、まだ30分経ってないよ」


 嘘ではないと証明するためにピアノの椅子に座る。


 歌い手や宿の客も興味津々でこちらを見ている、トワは目の前にあるスコアを軽く演奏をして途中で止める、よし巧く整備が出来たようだ。


「ほら、直っただろ」


「そうね、でも途中で曲を止めるのは良くないわね」


「修理したから試打をしただけなのだが」


「つれないね、一曲ぐらい付き合ってよ、スコアは読めるんだからいいでしょ」


「いや・・」


 断ろうとすると、ホールで呑んでいた客達が「兄ちゃんやってくれよ」等の声を掛けられ、宿屋の娘といつの間にか席に座っていたチーチェとリリアが渇望する眼差してでこちらを見ている。


「一曲だけ、一曲だからな」


「そうこなくちゃ!」


 トワがスコア拐い伴奏を始めると、歌い手が曲に合わせて歌い出す、その歌声は歌詞の情景が浮かぶ力強い歌声だった。

ピアノの調律は本来良い状態で一、二時間かかりますが、トワの場合は未来道具を使用していますので早いと考えてください。

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