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廃墟の地下

列車を乗り継ぎながら俺は東京まで向かった。

なぜ自分だけがこのように東京まで呼ばれたのかが分からない。

はたして何かいいことなのか、悪いことなのか・・・。

そんなことすら仲間を置いて逃げたあの日以来、自分にはどうにでもよくなっていた。


東京に着くと憲兵のような奴が迎えにきていた。

一介の兵士である自分にはありえない処遇であるが、よく考えればそれは自分が逃げ出さないようにするための監視でもあった。

車に乗せられて活気のなくなった街中を移動している最中も俺は全く恐怖という感情を持たなかった。

車の中から見える民衆の目には生気が入ってなかった。

全国には毎日のように爆弾の雨が降り注ぎ、かつて帝都とよばれていたこの街にも少なくとも一週間に一回は空襲があるらしい。

敵の落とした爆弾で丸こげとなったビルや民家、爆風でできたクレーターなどはザラである。

子供の遊ぶ声が聞こえているが、唯一未来に希望を持ったこの子たちさえもいつかは敵と戦わねばならんのだと思ったときには少しばかり、胸が痛むような気もしたが。

憲兵は車を運転しながら姿勢を全く変えなかった。

話してみようかとも思ったが、帰ってくる態度は分かっているから何も言わなかった。


「ここだ」

長ったらしい沈黙に疲れて、少しばかりウトウトしていたがその声で飛び起きた。

「ここか?」

俺が聞きなおすと憲兵のやつは車の右側にある建物を無言で指し示した。

俺と会話する意思は予想通りないようだ。

何故だかイライラしたから車を降りたときに少しばかり強めにドアを閉じた。

自分でもかなり大きめの音が出たと思い、少しばかりヒヤヒヤしてのだが憲兵はこちらを少し睨んだだけだった。

「なんだ、それだけか」

調子に乗った俺が軽く挑発したが憲兵には俺を相手にする意思は皆無のようだ。

やがて憲兵は車を発進させていってしまった。

だが車が動いて俺から少し離れたところでハンドルを拳で殴っていたのが見えたとき俺は少しばかりの勝利感を手に入れた。


くすんだビルは上階が爆弾で吹っ飛ばされ、階段が閉鎖されていた。

一瞬、さっきの憲兵に騙されたのかと思い、猛烈に腹が立ったが上に続く階段の横に細い下に続く階段が隠れるようにあることに気がついた。

せめて「地下だ」くらいの言葉はくれてもよかったのではないか・・・と思ったが元々憲兵という人種に期待などしてはいけないことを思い出した。

それと同時にいままで憲兵がやってきたことを思い出して一瞬でも憲兵なんかに期待してしまった自分の愚かしさが嫌になった。


地下への階段をくだると、「国営人体研究廠」とかかれたボロボロの木製の看板と、頑丈そうな鉄製の扉があった。

まずい、どう考えても不気味である。

人体研究・・・と書いてあるのを見る限り、どうやら俺は危険が迫っているようだ。

どうする。さすがに元特攻隊とはいえ、人体実験で死ぬのはいやだ。

なんかいたそうだし。

実は俺は痛いことは大の苦手である。

訓練なんかで己の限界にいたむのは一向に構わない。

痛さと引き換えに己を高められる痛さだからである。

しかし拷問のような痛みしか生まない痛みというのは根本的に違う。

俺は刃物なんかで生きたまま解剖されるのではないかという妄想を働かせ始めた。

妄想が妄想を呼んで更に恐ろしい未来像が頭の中で構築されていく。

一時間考え続けた挙句俺はこの建物から逃げ出すという結論に至った。

今なら監視もない。

ここまで負けているのなら信じていた祖国も戦争に負けるさ。

どうせ死ぬ運命だったのだから痛い目にあいながら苦しんで死ぬよりも脱走罪とかで銃殺されたほうがましさ。

しかし神様は俺を解放してはくれなかった。

「おや、入らないんですか?」

俺が扉に背をむけ、もときた階段を帰ろうとしたとき、まさにその瞬間、後ろから声がかかった。

ゆっくりと後ろを振り返ると白衣を着た男が扉を開けてこちらを見ながら微笑んでいた。

グダグダ感がはんぱねえ


なんかダメダシとかおねがいします・・・。

それをもとに訂正とかしていきますんで。

とりあえずテスト期間中に何してんだ俺は・・・。

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