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国立人体研究所

国立人体研究所・・・。

なんとも怪しげな名前の書かれた看板が立てかけられたちっぽけなビルに一人の男が入って行った。


男の名前はコバヤシという。

身長は170cmくらい、大学を出てから3年、髪は短く清潔感を感じる身なりだが彼の眼には生気が感じられない。


虚ろな目のまま気だるそうにコバヤシはビルの階段を上って行った。

一歩、一歩階段を上って行きながらコバヤシは今までの人生を振り返っていた。

高校生までは普通の人生だった。

成績は悪くはなく、部活にもはいってそれなりの青春も謳歌していた。

だがそこからコバヤシの人生は急変した。

まず初めに両親が交通事故で死んだ。

車に乗って隣町のショッピングモールで出かけた日・・・トラックとの衝突事故を起こした。

即死だった。

コバヤシは母親の妹夫婦に引き取られた。

学校は転校した。

妹夫婦はコバヤシに良くしてくれたがコバヤシは叔母との間にどこか距離を感じずにはいられなかった。

転校先の学校では人との関わりをさけた。

そして高校を卒業すると逃げるように一人暮らしをはじめた。

大学はいいところに入ろうと猛勉強して東京の早慶大に入学した。

だがそこでも人との関わりを避けた。

ごまんと人のいる行動の中でコバヤシは孤立していた。

誰とも話そうとしない根暗な男に話しかけてくる物好きな者など皆無であった。


そこでコバヤシは回想を打ち切る。

別に「思い出したくないものを思い出す・・・」とか「何も思い出したくはない・・・」とかそんな大層な理由があったわけではない。

階段を上り終えたから、ただそれだけである。

人間は死ぬ寸前に生きていたときの記憶を全て思い出す「走馬灯」なんて機能がついているらしいが残念ながらそんなことを一瞬で思い出すことは不可能だった。

目の前には重厚な鉄の扉が構えている。

コバヤシは虚ろな目のままゆっくりと扉を引いた。


扉の中には薄暗い廊下が広がっており壁の左右にはたくさんの巨大な試験管が連なっていた。

試験管のなかには、時おり細かい泡をしたから吹き上げる謎の液体が満たされている。

「おや、少し早かったようですね」

コバヤシが試験管の中身を見ていると白衣を着た男が目の前に現れていた。

「こんにちは、私は当研究所の所長の飯田と申します」

男は挨拶を済ませると手馴れた手つきで名刺を胸ポケットから取り出して自己紹介をしてきた。

コバヤシも答える。

「飯田さん・・・ですか。コバヤシです。よろしくお願いします」

飯田は右手を差し出してきた。

コバヤシも右手を出して互いに握手する。

「では、今回の被験者であるコバヤシさんですね」

「はい」

飯田はコバヤシに確認をとってきた。

「あなたについては資料を確認しています。では、めんどくさい説明や資料の確認などがありますが一度にパッと終わらすためこちらに来てください」

そういい終えた飯田はコバヤシの手を放し、するどく体を180度回転させると廊下の向こうに向かって歩いて行く。

コバヤシはそれを追いかけた。


先ほどの廊下とはまったく違うような応接室に通された。

先ほどの廊下がいかにも研究室らしい雰囲気を放っていたのに対して、この応接室は窓もあり、あの暗い廊下と同じ建物だとは思えないくらいだ。

「いや~、前の所長があんな暗いところが大好きだったんですけどね、僕は嫌いだからこの部屋だけは強制的に改造したんですよ」

コーヒーを出しながら飯田はしゃべった。

その様子に先ほどまでの、いかにも研究者!という感じの雰囲気は面影すらない。

「飯田さんは先ほどとは違いますね」

コバヤシは思ったことを口に出した。

「まあ僕は公私混同はしない主義なんで研究者モードと飯田さん一般人モードと分けてるんですよ」

飯田はさらっと語った。

「なので話し方が研究者モードだと私、一般人モードなら僕になっちゃうんですよね」

僕などといってるが飯田は外見は30くらいである。

白衣はピシッと決めていたがこの部屋に入ると、だらっとしていた。

どうやら研究者モードのときはピシッと決め、一般人モードならばゆるくなるらしい。

「それはそうと話にはいるんですがね・・・」

いつのまにか飯田の白衣がピシッとなっていた。

どうやら今は研究者モードということらしい。


「コバヤシさんは今回、当研究所の実験に被験者として参加することを認めました」

「はい」

「それには実験中に被験者、つまりコバヤシさんが死亡した場合、肉体を当研究所の実験に使用することも許可しているという意味です」

「間違いありません」

「今回の実験には人体の遺伝子に直接作用する薬剤が使用されます。この薬剤の使用にはまだ法的な制限があり、実験目的でのみ被験者の意思がなければ使用ができません」

「はい」

「過去にまだこの薬物を人体に投与した前例はなく、どのようなことが起こるのかはまだ我々は予測がついていません。現在最も確実な予測はこの薬の投与によりどんな病気にもかからなくなるという予測ですが今までのマウスでの実験では投与された全個体が死亡しています」

「はい」

「それでもコバヤシさんは薬剤の投与実験に参加しますか?参加するというならこの書類にサインと認印をお願いします」

「わかりました」


淡々と契約は進んだ。

飯田は説明の間ずっとコバヤシのほうを見つめていた。

コバヤシがサインを終えると飯田が声をかけてきた。

「しかしなぜコバヤシさんはこの実験に参加するのですか?事前に送った資料に書かれていたとおりこの実験の成功率は0.08パーセント・・・。不死になりたくともこんなリスクを負う必要があるのかどうか私には理解ができません」

この飯田はすこしばかり勘違いをしているようだ。

「僕は不死になるためにここに来たんじゃない。死にきたんです」

その瞬間、飯田がすこし驚いた顔をした。

「え?」

「そういうことです」

コバヤシはこんな話早く済ませてしまいたかった。

「ですが、資料には夢に挑戦したいと・・・」

飯田は困惑した表情でコバヤシを見た。

研究者モードの飯田が出している研究者オーラはただのみせかけのようだ。

「できればコバヤシさんについて詳しくお話を聞かせてもらいたいのですが・・・」

「いえ、僕はそんなに話すようなことはないですよ」

コバヤシは虚ろな瞳のまま少しだけはにかんだ。

飯田はなんともいえなそうな、少しこまったような表情をしていた。


コバヤシが連れて行かれた部屋は最初の廊下と同じように窓のない、蛍光灯の冷たい光だけが降り注ぐ薄暗い空間だった。

特に明るい中央にずいぶん昔に読んだブラックジャックに出てきたようなカプセルがおいてある。

確か、あるカップルが病気の治療法の確立される未来へコールドスリープするという話だったな・・・と思い出す。

「では、このカプセルの中に横になってください」

指示に従い、コバヤシはカプセルの中に横になった。

「それではカプセルを閉じます。閉じる前に質問なんかはありますか?」

コバヤシにはこの部屋に入ったときから気になることがふたつほどあった。

「そこにある鍵がいくつもかかった部屋はなんなんですか?」

見ると、今コバヤシと飯田のいる部屋には入り口のドアの向かい側にもうひとつたくさんの鍵穴のついた重厚なドアがあった。

「ああ、あそこは僕も入ったことがないんです。先任の所長が管理していた領域らしいのですが・・・」

どうやら所長である飯田さえもあのドアの向こうはしらないらしい。

まあどうでもいいことなのだが・・・。

それにしても研究所内には他の所員が見当たらない。

「他の所員はどこへ?」

「ああ、彼らならコバヤシさんに見えない領域で作業をしています。だって今から意味不明の実験を受けるというのに知らないマッドサイエンティストたちがいっぱいいたら嫌でしょ?」

まあ確かにその通りだ。

それよりも飯田が自分のことをマッドサイエンティストだというのがおかしくコバヤシは苦笑した。

「それじゃあ、僕はもう眠ることにします」

コバヤシは飯田に別れを告げる。

「あっ、それとこの腕時計はどうしたら・・・」

コバヤシは忘れていた腕時計のことを思い出した。

高校入学時、入学祝として父からもらった大切な時計だ。

貰ってから今日まで外すことなくいつもつけていた。

「あっ、時計はカプセルの中に専用の小物入れスペースがあるのでそちらにどうぞ、起きたときになくなってたらいやでしょ」

「まあおきることはないでしょうけどね・・・」

そっと呟いたコバヤシの言葉は飯田には聞こえなかったらしい、飯田は丁寧にカプセルの入り口をしめた。

「では30分後に投薬を開始します」

腕時計をカプセルの内部の側面にある小物入れスペースに入れてスペースのロックをした。

そして両腕を組んで姿勢を正す。

「実験開始」

飯田の声が聞こえ、意識が急速に遠のいていった。

全くあまりいい人生ではなかった。

だが最後にこんな楽な死に方できただけでまだラッキーか・・・。

コバヤシの意識はゆっくりと闇に包まれていった。

いや~。ものの見事に中二病をこじらせちまいましたww

これはひでえ。

今日も丸二日寝てねえし、本格的に頭おかしくなってる。

最初の設定では飯田こんなキャラじゃねえし、もうちょっと渋いおっさんだったのになんでこんな性格になっちまったのか・・・。

自分には書き溜めてやるとか不可能っぽいから書こうと思ったときに書いていきます。まあ一応チェックとかはしますけど・・・。

誤字脱字あったら感想欄とかにお願いします。

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