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妻が本の中に蘇り、勇者と結ばれる前に俺が魔王を倒すだけ。  作者: さんまぐ


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第2話 魔術の神。

本の中は不思議な空間で、巨大な文字の迷路が行く手を阻む。


苛立ち混じりに「くそっ、本の中ってこんななのか?」と悪態をつくと、「いーや、この本だけだよ」と聞こえてくる。


その声は上から聞こえた。


上を見ると露出の多い服を着て、胸やら腹を出したロングヘアの男性が浮いていた。


「誰だ?」

「まあ神様の残りカスって思ってくれればいい。この魔術書に残る神様、魔術を本来広めようとした神様の残りカスさ」


露出の多い男は、自身を魔術の神だと言った。


「魔術の神!?なら教えてくれ!なんで反魂術は書いてある通りにならなかった?何故失敗したんだ!俺のせいか?」

「ああ、あれはこの魔術書を書いたやつが、書き間違えたんだよ。アイツはろくな確認しなかったったからなぁ」


魔術の神はしみじみと当時を思い出して、語りながら「うんうん」と頷く。

間違いの部分が気になり、男が「なに…?」と聞き返すと、魔術の神は「だから書かれた術の組み立てが間違っているんだよ」と言い、「魔術と魔法の違いってわかるよな?」と聞いてきた。


男は学んだ事を思い出すように、「魔法はこの世界に満ちているものを形取って放つが、魔術は自分の中にある術を式に則って放つ」と答えると、魔術の神は「そうだ。だからあの反魂術は、式を間違えているんだよ」と言った。


男が「…間違えた結果は?」と聞くと、魔術の神は「なんだ、あんまり見込みないな」と落胆の表情で男を見る。


「何?」

「それとも恋人のことだから余裕が無いだけか?とりあえずおさらいだ。氷結術と水流術を思い出せ、共通項はあるだろう?」


男は必死に覚えた術式を思い出すと、「始まりの式が同じだ」と言う。

男の答えに満足そうに頷いた魔術の神は、「そう。あれは世界にある水の気配を感じたり、知識として知っているものを術で生み出す行為。まあ有り体に言えば水気を生み出すという意味だ。あの反魂術は、本来一点物の術なのに、他の術との共通項があった。要するに書き間違いの蛇足だな」と説明をする。


男はその言葉に、必死になって反魂術を思い出すと、最後に余計な式がある事に気がついた。

男が「あ…」と言うと、魔術の神は「気付いたな?」と言ってニヤリと笑う。


「夢に入る術と、本に入る術だ…」

「そう。だが夢に入るのは間違いだな。それは根本的に本が間違えてるんだが、本来は望んだ夢を見る術だ。本来は子供なんかに教える時、練習用に作った術だよ」

「なら…」

「お前の恋人は、蘇生と同時に望んだ夢と本に入る術を使われて、どこかの本に消えた。本の中に入った夢を見ているんだよ」


本に消えた妻の事を思い愕然とする男に、魔術の神が「ヒントをやる。代わりに魔術をこの世界から無くすな。後は魔術書はこの一冊だけではないから探せ」と言うので、男が頷くと「恋人が1番好きな本だ。そんなものは大概家にあるだろ?探してみろ。見ればすぐにわかる。本は恋人の居る場所までしか開かないはずだ、なので先は読めない。何のためにかって?当然本に入っている間に書き換えられたり、消されたりしない為だよ」と言って、「ここで話せる事は終わりだよ。頻繁に来られても面倒だが楽しかったから何か困ったらくるといい」と続けた。


「帰る前に一つ聞かせて欲しい。本を見つけたら入本術で迎えに行けばいいのか?」

「それは本の内容や恋人の状況によって違うから一概には言えない。入本術で中に入ったら恋人の状況を確認しろ。そしていつでも本の外に出られるようにして入るといい」


男は「わかった」と言って感謝を告げると本を後にした。

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