プチ贅沢な彼氏を横に連れて、注目を集める私になる!
私はパッとしない女だとよく言われる。
見た目も中身も普通。
ここで言う、“普通”は人の注目を一切集めないという事。
見られるどころか、誰にも気にもかけてもらえない私。
そんな私にも、チャンスがやって来た!
“プチ贅沢を味わいたい人は是非! このお店にお入りください!”
と書かれた看板を私は目にする。
看板の横には、イケメン男子が何人も写った写真が飾ってあった。
意味がよくわからなかった私は、恐る恐るお店の中に入る。
普段の私は慎重で、必ずと言っていいほどこんなお店には入らない。
・・・だけど? この日の私は物凄く落ち込んでいた。
何でもいい! 私を優しく包んでくれるモノが欲しかった。
私を癒してくれるモノなら、何でも良かった。
10年も自分の時間を削って頑張ってきた会社を今日クビになってしまう。
私の後輩が仕事で失敗したのに、上司は“野田の教え方が悪いからこうなっ
たんだ! 今日をもって野田、お前をクビにする!”
突然の上司からのクビ宣言!
しかも? 実際に仕事で失敗した私の後輩の女の子はクビにはならず
自粛という会社からの休みで終わりらしい。
私がこの10年間、この会社に尽くした時間を返せ!
私はこんな事の為に、この会社に入ったんじゃない!
でも? 私の話をまともに聞いてくれる人は誰もいなかった。
この後追い打ちをかけるように、私は5年間付き合っていた彼氏から
突然フラれてしまう。
彼氏が私をフッた理由はこうだった。
“職場の女の子の事を本気で好きになった。”
それって? ずっと前から私を裏切ってた事じゃないの?
気になっていただけならいいけど? 既にその女の子に彼が手を出して
いたと彼の友達から私は聞いてしまう。
別れてから、そんな事を聞いても私にどうする事もできないし。
私は仕事がクビになっただけでもショックで立ち直る前に彼氏にフラれ
て愕然とする。
人生で一番最悪な日に、私はそのお店を見つけたのだ!
お店に入ると? 【カランコロン】とドアが鳴り奥から年配のおじさん
が出てきてこう言った。
『お嬢さん? 何かお探しかな?』
『・・・そ、それがよく分からないんです。』
『随分と疲れた顔をしているね! 今直ぐにでも、癒してほしくないかい?』
『えぇ!?』
『“ウチにはあるよ。”』
『・・・何がですか?』
『“プチ贅沢な彼氏が欲しくないかい?”』
『えぇ!? 彼氏ですか?』
『店の奥にあるけど? お嬢さん、見てみるかい?』
『・・・あぁ、は、はい、』
私はお店のおじさんからすすめられてお店の奥に行く。
そこには、見た事がない光景があった!
ズラッとイケメン男子が何体も横になって並んでいたのだ!
しかも? どの男子もイケメン!
はじめはアンドロイドと思った私も、近くで見てみると?
人間にしか見えない。
私はおじさんに質問してみる。
『こ、これは? 本物の人間なんですか?』
『いやいや? 本物のじゃないよ! これはアンドロイドだ!』
『物凄く精巧にできていますね。』
『そうだろう、本物そっくりに見えるなら商品は上出来だ!』
『これを私に売ってくれるんですか?』
『まあ、プチ贅沢だから結構値段は高いよ。』
『いくらなんですか?』
『1000万円からかな。』
『いっ、一千万円!?』
『勿論! ローンって手もあるよ。』
『何回払いですか?』
『1000回払いでもいいよ。それならお嬢さんは買うかい?』
『・・・・・・』
『勿論! 保証期間は5年! 故障やメンテナンスも無料だよ。それに
要らないなら返品してもらってもいい!』
『・・・返品も無料ですか?』
『勿論! それならお嬢さんでも大丈夫だろう。』
『・・・まあ、えぇ、』
『取り合えず、お試し期間もあるから一体今日持って帰っていいよ。』
『えぇ!? そんな期間があるんですか、それならお試しに一体連れて
帰ります。』
『いいよ! アンドロイドは一途だしね。』
『えぇ!? そうなんですか、絶対に持って帰ります!』
『お試し期間は1ヶ月、必ず1ヶ月後にここに戻しに来てね。』
『分かりました。』
私は、アンドロイドのイケメン男子を一体家に連れて帰った。
私はお店に入った時に既に“一目惚れ”したアンドロイドがいた。
そのアンドロイドを家に連れて帰る事にした。
彼は、身長180㎝以上で爽やかなイケメン男子。
髪も茶髪で長髪な彼。
私は彼を連れて次の日の朝、一緒に買い物に行った。
彼を連れて歩いているだけで、周りにいる人達の視線が私達に集まって
いるのが私にも分かった。
勿論! 私を見ている訳じゃない。
彼が目を引くほどのイケメンだから、周りの人達の注目を集めている。
それでも私は嬉しかった。
こんなカッコイイ男性を連れて歩ける私を羨む女達。
普通の私が、こんなイケメン男子を何処で見つけてきたのか?
羨ましそうな目で私を見ている女性を見ると? 私の方が何も
かも上のような気がして気分が良かった。
たまには、“プチ贅沢”しないといけないと気づかされる。
私はこれからも彼を連れて何処へでも行くつもりだ!
私が普通に見られない為にも、彼が必要だと気づいたから。
値段は高いが、彼と一緒なら私はこの先ずっと輝ける。
誰もが彼と私を羨む顔を見る事が今の私の快感になっている。
最後までお読みいただきありがとうございます。




