88 ベルグの思い2
88 ベルグの思い2
「不満などあるはずがありません!!」
「私はジーカ家に大恩を返さねばなりません!!」
「「?!?」」
混乱する2人
ベルグが何を言っているのか理解できていない様子だった。
「不満など、、、
不満などけして」
語り出すベルグ
「私は多くのものをいただきました。
母の愛、父の強さ、ジーカ家の名前までいただきました。」
「、、、」
「弟が生まれてからも、お二人は変わらぬ愛で接してくれました。
、、、本当の息子のように」
「「!!」」
驚く2人
「ベルグあなた、、、」
「どうして、。」
2人が口を開く
「弟が生まれてからも
母さんは
私が寂しく不安な時は
いつも優しく抱きしめてくれました。
、、
父さんは
私を正しい方向に導いてくれました。
いつも厳しく叱ってくれました。
、、
それが、
それがどんなに嬉しかったか、、、」
「、、、」
ベルグを見て黙る2人
「私はこの恩を返さねばなりません!!
これ以上、もらうわけにはいかないのです。」
ベルグの頬を涙が通る。
「当主は正当な後継者のジルグがなるべきです。」
「ベル、、」
父ザルグが口を開こうとするが、
「ベルグ!!
聞きなさい。」
母サラが強い口調でベルグの名前を呼ぶ。
「あなたを本当の子供のようだなどと
思った事はありません。」
母サラが口を開く
サラの言葉は震えていた。
「あなたは私の子供です。
誰が何と言おうと
あなたは私のかわいい子供です。
、、、
恩など感じる必要など
、、
あってはなりません。」
母はベルグを抱き寄せる。
、、、
、、
、
「、、、
馬鹿な事を考えて、、、」
大きく育った子供を抱きしめて
辛い思いをさせた事
優しく育った子供を嬉しく思い
サラはいつまでも泣いた。
ベルグはジーカ家7代目当主となる。