84 当主
84 当主
「どのような経緯か
詳しくは言えませんが、、、」
「大丈夫だ。
聞かないから安心しろ。
なんとなく状況はわかる」
ベルグの父
ザルグも王国騎士団の団長まで上り詰めた強者だった。
騎士団や王国内部の情報には詳しい。
「ありがとうございます。」
「、、、なるほど」
ザルグは考え込む。
、、
、
、
沈黙が流れる。
、、
その沈黙をやぶるのはザルグであった。
「ベルグ!
これでお前は名実共に私を超えた事になる。」
ザルグは嬉しそうにベルグに語りかける。
しかし、、、
「父さんを超えたと思ったことはありません。
まだ学ぶ事がたくさんあります。」
真剣な眼差しでベルグ答える。
「ははは。立派に育ったもんだ。」
「ベルグ。お前はそう思っているかもしれないが、ほかの貴族や王族はそうは思ってないぞ!」
「、、、」
押し黙るベルグ
「お前が正式に『王の剣』になったら、
ジーカ家当主の座を譲ろうと思う。」
「!!
わ、私が当主ですか、、」
ザルグの予想外の言葉に驚きを隠せないベルグ。
いつも冷静なベルグだが、、、。
「??どうした?
珍しいなお前がそこまで動揺するなんて。
別に不思議な事じゃないだろう。
いずれはお前が当主になる。
遅いか早いかだけだろう。」
ザルグも見慣れないベルグの反応に驚く。
何を驚くのかと、、、
自分が当主になる事はないと思っていたかのような反応である。
不思議に思うザルグ。
「大変だと思うが、お前なら大丈夫だろう。
分からん事は教えてやる。」
「こんな早く隠居するとは思わなかったがな。
ははは!!」
、、
「父さん、、、
私は当主にはなりません。」