80 敗者スタイ
80 敗者スタイ
「何してんだ?」
「あっ!トラン、、、」
座っているスタイに話しかけるトラン
「お前元気ないな。疲れてんのか??」
「あぁ、、、
ベルグと模擬戦したんだ。」
「負けたのか」
「うん。何もできなかった。」
「だから元気ないのか?」
「そうだね。
負けて当たり前なんだけど、、、
やっぱり悔しい。
同じ学生なのになんでこんなに違うのかって、、、」
「確かに悔しいな。」
トランはスタイの方を見る。
「トランはよくベルグと模擬戦してるけど、
落ち込んだりしないの??」
「??なんで落ち込むんだ?」
トランは首をかしげる。
「え!?
だから模擬戦に負けたら落ち込まない?」
「負けてなんで落ち込むんだ?」
トランは考えこむ。
ベルグ負けて落ち込んだことあるかなと、、、
「、、、」
トランの問いに考え込むスタイ
どうして私はこんなに落ち込んでいるのだろう、、、。
スタイ自身も疑問に思う。
(私は何に落ち込んでるんだろう?
ベルグに手も足も出ずに負けたから?
同い年なのに全然違うから?
ベルグを本気にできなかったから?
、、、
どれも違う、、、)
「、、、
自分にガッカリしちゃったからかも、、、
駄目なやつだって。」
「ふぅーん
なるほど
お前ってダメなやつなのか?」
トランは上を向きながら
また首を傾げる
「っ、、、」
「ベルグに負けたら駄目な奴なのか?
それとも模擬戦に負けたら駄目になるのか?」
トランは疑問を次々に聞いていく
「それは、、、」
、、
、
、
「もし
お前がベルグに勝ったんなら。
すごいやつってことになるのか?」
「、、、」
スタイはトランの話に
何かを感じる
「勝っても負けてもお前変わらないと思うけどな。」
「でも、、、
パルにも負け越してるし、
トランにも、、、」
「お前のやってきたことって
そんな駄目だったのか??」
トランはいつも一生懸命に剣を振るスタイを
思い浮かべて
また首を傾げる
「、、、」
スタイはこれまでの自分のしてきた事を振り返る。
毎日剣振ってきた事
毎日魔法を練習してきた事
指揮、兵法の勉強してきた事
強者に挑んだ事
トランは笑う。
「オレは詳しく知らないけど、
お前の事一番知ってるのはお前だろ?」
「ちゃんと自分みてんのか?
もう一度聞くぞ
、
なぁ
お前はホントに駄目なやつなのか?」
、。、