76 古屋
76 古屋
『さすが自称天才』
『うるさい!僕はそんな事自称してない!』
『はっはっはっ』
『もう!早くいくよ!
こんなところ人に見られたら大変だよ』
『お前も悪に染まってきたな』
『染まってない!!』
、
、、
、、
、、、
トランは目を覚ます。
「、、、、」
(夢か、、、)
あたりを見回すトラン
トランは木造の部屋にいた。
そこにあるベッドに寝かされていた。
暖炉があり、パチパチと火花を散らしている。
部屋は暖かく、心地よい。
「生きてるな、、、」
トランは自分が生きている事を確認する。
「頑丈な体だな」
「!!」
突然の声にトランは驚き、声の方を向く。
そこには女性が座っていた。
女性は40代ぐらいに見える。
とても美しい女性だった。
女性からは不思議な雰囲気を感じた。
何故か
その雰囲気はザウスの谷で出会ったフクロウと似ていた。
「、、、あんたが助けてくれたのか?」
「まー、、、」
「大したことはしてないさ」
女性は答える。
「助かった、、、。
ありがとう。
、、、
ここはどこなんだ」
トランは窓の外を見ながら言う。
窓のそとには美しい平原が広がっていた。
湖があり、鳥や動物たちがみえる。
「ここか?
ここはフヤキータ山脈を超えた先さ」
「!!
ここが、、、魔界なのか!?」
トランは驚く。
「下界ではそう言われてるのか?
そんなところではないよ。」
女性は笑いながら答える。
「そうなのか、、、」
「まさかここに人がいるとは、、、
人類未踏の地って聞いてたんだがな。」
トランは考え込む。
「期待に応えられずすまないね」
「、、、大丈夫だ」
「あんた以外にもここに住んでいる人はいるのか?」
「いや、ここに住んでいるのは私だけだ。」
「、、、」
トランは何か事情があることを察する。
「君は何しにここまで来たんだい?」
「オレは竜を探しに来たんだ。」
言い放つトラン。