62 クラン
62 クラン
トランはギルドに依頼を受けに来ていた。
「あっ!トランさん!」
アリサは久しぶりにトランを発見する。
「ん?なんだ?」
「なんだ?じゃないですよ!
半月近くどこ行ってたんですか!」
「遊んでた。」
「、、、。
はぁ〜」
アリサは深いため息をする。
「トランさんにしてもらいたい依頼が溜まってるんです!!」
「他にもBランク冒険者はいるだろう。」
「いますが、Bランク冒険者になれる人は限られています!貴重なんです!
しかもB級上位の魔物を単体で討伐しちゃう冒険者なんてB級にトランさんしかいないんです!!」
「、、、ああ。」
アリサの圧力に押されるトラン。
「ってことで!オーガの討伐依頼が遅延しているのでお願いします。遅延依頼なので、もちろん追加報酬あります。」
「わかった。その依頼受けよう。
他に面白そうな依頼はあるか?」
「ありがとうございます!!
え〜っと、面白そうな依頼ですね。ちょっと待ってくださいね。」
アリサは書類に目を通す。
、、、
「兄貴!」
「おう。お前らか」
トランが振り返るとそこにはバルカとアルホがいた。
「おかえりなさい兄貴!」
「ただいま。お前ら今から依頼か?」
「いえ、今帰りです。」
アルホが答える。
「そうか。もうそろそろBランクになったか?アリサが困ってるらしいぞ。」
「トランさん!そんな簡単にBランクにはなれません!トランさんが特例なんです!」
アリサがトランの言動にツッコム。
「さすが兄貴!!」
バルカが喜ぶ。
「兄貴!そんなことよりオレたちを兄貴のクランに入れてください。」
「入れてください!」
アルホが言う。バルカが続く?
「ん?オレのクランに入ってもやることないぞ。面倒事を回避するために作ったからな。
だから人を増やすつもりもない。実態のない名ばかりのクランだ。
お前らクランに入りたいなら、5大クランみたいな割りのいい依頼が入ってくるクランにしろよ」
「オレたちは兄貴のクランに入りたいっす!」
バルカと言う。
「やることがなくてもかまいません!」
、、
、、
、
「まぁ〜、、、お前らの好きにしたらいい。」
「ホントですか!!」
「ありがとうございます!!」
飛び上がって喜ぶ2人。
「遊びで作ったクランだ。適当にやってくか。」
「トランさん愛されてますね。」
アリサが言う。
「で兄貴のクランの名前はなんて言うんですか?」
「、、、」
沈黙するアリサ
「クラン名は『箱』だ。」
「「、、、」」
「、、、インパクトのある名前ですね」
アルホが苦笑いしながら答える。