48 争い
48 争い
トランはクラン『赤獅子の牙』王都支部に来ていた。
「お前誰だ?うちのクランに何の用だ?」
「使用料で仲間が世話になった。挨拶に来た。」
トランは淡々と答える。
「あ?使用料?」
「タナ平原で世話になったらしい。」
「タナ平原っていえば、、、」
「おい、ラババなんか知らないか?」
「あ?」
「赤髪と青髪のザコのことか?」
奥から声が上がる。
「おいおい!何怒ってんだ?」
「冒険者のルールを教えてやっただけだ・・・」
トランが消えた。
次の瞬間ラババがその場から消し飛ぶ、、、
クランの壁を破り、外まで吹き飛ぶラババ。
そして
ラババは動かなくなった。
トランの雰囲気が変わる。
誰も近寄れない圧倒的な雰囲気。
「「「うっ、、、」」」
クランの冒険者たちが凍りつく。
トランのスピードに目がついてこなかった冒険者達。
日頃、危険な仕事をしている冒険者達。
身の危険を感じとる能力は一般人より遥かに優れている。
その冒険者達の危険感知能力が警鐘を鳴らしている。この場から直ちに逃げろと、、、
冒険者達には身に覚えがあった。この圧倒的な存在感。絶対に逆らってはいけない存在。
冒険者達は1人の冒険者を想像する。
その冒険者は『赤獅子の牙』クラン長、人外と呼ばれるAランク冒険者、獅子王ヤラクを。