46 アリサの勇気
46 アリサの勇気
「お願いします!!」
「隊長様に合わせてください!!」
アリサは騎士団王都支部に来ていた。
街の治安維持は騎士団の仕事である。騎士団に頼めばトランを救えるかもしれないと考えたのだ。
「『赤獅子の牙』に1人で向かったんです!!」
「冒険者同士の争いに騎士団は関与できないんだ。冒険者ギルドにでも相談してくれ。」
「お願いします!!」
泣き叫ぶアリサ。
「隊長は忙しいんだよ。そのようなことでお呼びするわけには行かないだ」
「隊長様にお話しだけでも、、、」
「お願いします!お願いします!」
「、、、トランさんが」
「トランさんが!!」
守衛騎士に懇願する。
守衛騎士達は困っていた。若い少女を無碍に追い返すのも可愛そうだ。少女の表情からただ事ではないことはわかる。
(トラン?)
偶然支部に帰ってきた1人の騎士がアリサの言葉に反応する。
「、、、」
「お嬢さんどうかされましたか?」
金髪の騎士がアリサに話しかける。
「!!」
「これは!!副団長!!」
「お疲れ様です!」
守衛騎士が整列し敬礼する。
「えっ!!副団長」
突然現れたた騎士団のナンバー2に驚くアリサであったが、我に返る。
「副団長様!!」
「助けてください!お願いします!!」
「トランさんが『赤獅子の牙』に1人で向かってしまったんです!!」
「このままじゃ殺されてしまいます!!」
騎士団副団長にしがみつき叫ぶアリサ。
「おい!副団長から離れなさい!」
守衛騎士がアリサを引き離そうとする。
「君たち僕は大丈夫です。お嬢さんの話しを聞くことにします。」
「しかし、、、」
「大丈夫。僕に任せて。」
アリサの涙をハンカチで拭き取る副団長。
「了解しました!!」
再び整列し敬礼する騎士達。
「良かったな。お嬢ちゃん!」
守衛騎士の1人がアリサの肩を叩く。守衛騎士もなんとかしてあげたいと思っていたのである。
「ありがとうございます!」
「ありがとうございます!」
おっ