44 怒るトラン
44 怒るトラン
トランは依頼が終わり、3日ぶりに王都に帰ってきていた。依頼達成報告のため、ギルドによる。
「アリサ、依頼達成報告だ」
「あっ!トランさん、、、」
「あの、、、」
トランを見て思い詰めた顔をするアリサ。
「どうした?珍しく元気ないな。」
「バルカさんとアルホさんが、、、」
「バルカ?アルホ?」
「あいつらまたなんかやったのか?」
「、、、」
「トランさんちょっとついてきてもらえますか?」
「、、、ああ」
トランはギルド二階の個室に案内される。
「、、、」
変わり果てた2人が寝ていた。息はしているが。2人の顔が判別できない程晴れ上がっている。バルカは足が骨折しているようだった。
「、、、2人に何があった」
トランの冷たい声が部屋に響く。
「他の冒険者と揉めたらしくて、、、」
「、、、相手は?」
「『赤獅子の牙』のメンバーです。」
「なんで?」
トランの手は握りしめられている。
「、、、」
「なんで揉めたんだ?」
トランに表情はない。
「、、、2人はタナ平原で依頼をするのに使用料を払えと言われたらしく、それが原因で揉めたようです。」
「使用料?」
「『赤獅子の牙』のハヤキというAランク冒険者が主導でやっているようで、使用料を払えば安全に依頼ができる、払わなければタナ平原の使用は認めないと、、、」
「依頼をするのに使用料がいるのか?」
「いえ、、、必要はありません。」
「一つのエリアをクランが独占することは禁止しています。」
「じゅあなんでそんな奴らが、、、」
トランのとても冷たい声
「過去にギルドマスターから警告はしてもらって、もうやめたと聞いていたんですが、、、。
5大クランの『赤獅子の牙』は王都内でも力があるので情報操作されていたのかもしれません、、、すみません。」
涙を堪えるアリサ
「、、、」
「、、、アリサ。
教えてくれて助かる。
2人のこともう少しだけ頼む」
トランの優しい言葉に何故か不安になるアリサ。
それだけ言うとトランは部屋から出て行った。
「待ってください!トランさん!」
「どこに行くつもりですか?」
「トランさん!!」
アリサはトランを追い部屋を出たが、もうそこにはトランはいなかった。
、、
、、、
、、、、