41 修行
41 修行
トランは2人に剣を教えはじめてから2年が過ぎようとしていた。
2人は毎日のように剣を振っていた。
トランは2人を強くするために、厳しい修行をしていた。
2人はたまに気を失いなうこともあったが、、、なんとか必死についてきた。
(こいつらスゲーな)とトランは密かに思っていたことは秘密だ。
剣以外にも2人には魔法を教えた。
トランの思った通りアルホは頭が良かったので、薬の調合、採掘の仕方、地形の見方などさまざまなことを教えた。一方、バルカの方はそれらが全然身に付かなかったので、戦闘特化型に育てた。
この選択がトランの思った以上にバランスのいい2人パーティになった。
今では2人でB級の魔物も倒せるほどだ。
今日も2人は修行中であった。
「バルカ、軸がぶれてるぞ」
「アルホは力が入りすぎだ」
「「はい!!」」
2人は熱心にトランの教えを吸収していき、
厳しい修行の甲斐あってCランク冒険者になっていた。
「兄貴の修行の甲斐あって最近、強くなった気がするっす!!」
「そうか。バルカ、それじゃオレと模擬戦するか?」
「ちょ!ちょっとそれは勘弁してほしいっす」
「ははは」
トランとアルホは笑う。
「バルカはすぐ調子にのる!」
アルホが突っ込む。
アルホが気になってたことをトランに聞く。
「気になってたんですが、トランの兄貴はどこで剣を習ったんですか?」
「オレか?」
「オレは友達に剣を習った。」
「めちゃくちゃ強い剣士でな、結局1度も勝てなかったな。」
トランは嬉しそうに友達の話しをする。
トランのこのような顔を始めてみる2人は驚いていた。
「兄貴より強い人いるんすね!!」
バルカが驚く。
「その人は今どこにいるんですか?」
「まさかAランク冒険者とか?」
アルホが興味深そうに聞く。
「アイツは冒険者じゃない、騎士だ。今頃騎士団長になってるかもな。」
天才剣士ベルグを思い出すトラン。
「騎士ですか!!兄貴は騎士の友達がいるなんてさすがっす。やっぱトランの兄貴は最強っす。」意味不明な事を言うバルカ。
いつもの事なので何も言わないトランとアルホ。
「騎士の友達ってことは、、、。兄貴ってもしかして貴族ですか??」
アルホがトランに聞く。
「いやオレは平民だ」
「兄貴、、、」
「兄貴オレたち」
何かをいいずらそうにしている2人
「『箱』出身なんだろ?」
『箱』とは王都『サラフ地区』の呼び名である。
貧困層が多く居住すている地域で、安全や道徳が脅かされている街。危険な街であるため、王都民は決して近づかない。犯罪は毎日のように起きる。取締る騎士団もいないため住民は自衛のすべをもっておる。ほとんどの住民が手ぶら(武器を持たず)で外出することはない。王都民は『サラフ地区』の人々を恐れており、それが理由で『サラフ地区』は王都から箱のように区切られている。
その街を王都民は『箱』と呼んでいた。
「「!!」」
「なんで!?なんで知ってるんですか?」
トランが知っていたことに驚くアルホ。
「『箱』出身のやつはしゃべり方でわかる。独特だからな。」
「兄貴は何も思わないんですか?」
『箱』出身だとわかると普通の人は関わろうとしない。トランがいつもどおりに接してくれることに不思議に思っていた。
「冒険者に『箱』出身のやつはたまにいる。不思議なことじゃない。」
「それにオレも『箱』出身だからな。」
「「えっ!!」」
トランの衝撃の一言に固まる2人。
「あんま気にするな。」
「冒険者に出身地は関係ない。」
「アニキィ〜〜!!」
トランの優しさに
抱きつこうとするバルカであったが、、、。
模擬刀で斬り伏せられる。