40 バルカとアルホ
40 バルカとアルホ
トランは依頼の達成報告を報告する。
「アリサ、依頼達成報告だ。」
「トランさん!お疲れ様です!」
「さすがトラン!仕事早いですね。」
トランを見て嬉しそうに喜ぶアリサ。
「なんか、嬉しそうだな。」
「それはもちろん。自分の担当冒険者からBランク冒険者が出るなんて、私は嬉しいです。」
「そうか」
軽く流すトラン
「反応薄いですよ!トランさん!」
「Bランクですよ!Bランク」
「ランクが変わっただけで特にやることは変わらん。」
「、、、なるほど」
トランがB級の魔物を討伐していることを知っているアリサは納得してしまう。
「ダークウルフは素材取り引き場にあるからな。」
「あっ、はい。先程確認しました。見事な状態でした。」
「そうか」
「報告は終わりだ。」
「ありがとうございます。」
「今回の報酬とBランクのライセンスになります。」
報酬は金貨2枚だった。遅延依頼ということもあり、ギルドから報酬が追加されている。
「じゃ行くぞ。」
「はい!ありがとうございました!」
受付から離れるトラン
、、、
トランはバルカとアルホが待つテーブルに向かった。
「待たせたな。」
「いえ!全然待ってないっす!」
バルカが立ち上がって答える。
「これはお前たちの報酬だ。」
トランは金貨1枚を机におく?
「えっ??」
「魔物の運搬費用と魔物を見つけてくれた報酬だ。とっとけ。」
「もらえません!」
青髪のアルホが申し訳無さそうに言う。
「オレに恩返しするんだろ?その金で少しでも強くなって返してくれ。
事実、運搬と魔物の発見はかなり助かったから。」
「ホントにいいんですか?」
「ああ、かまわん」
「あ、あ」
「ああ、ありがとうございます!!」
2人は涙を流し感謝する。
(こいつらにもいろいろあるのだろう。)
トランは2人の話を聞くことにした。気になることもあった。
バルカとアルホはどちらも14歳であった。親はいなく。生活に困り冒険者になったらしい。しかし、知識もなく十分に依頼をこなすことが出来ずにいた。生活は苦しくなる一方で、宿に泊まることもできない生活をしていたのである。
焦る気持ちが積み重なり、冷静な判断ができず、『ザウスの谷』に迷いこんでしまったのだった。
2人はいきなり膝まずいて頭を下げた。
「トランの兄貴!!」
「オレ達を弟子にしてください。」
バルカが言う。
「、、、」
トランは沈黙して考える。
「絶対に迷惑はかけないようにします。」
「兄貴が暇な時でいいので、剣を教えてください!」
アルホがバルカに続く。
「はぁ〜、、、」
トランはため息を漏らす。
「オレは忙しいからな。暇な時だけだぞ」
トランは実はこの2人を気に入っていた。
「じゃあ!!」
2人は顔を上げる。
「オレは厳しいぞ。」
「ありがとうございます!!」
2人は涙と鼻水を流しながら抱き合って喜ぶ。
それを見て呆れるトランがいた。
、、、
、、、、
「ここがオレの拠点だ。」
トランは自分の拠点に案内する。
「スゲー!立派な家だぞアルホ」
「バルカ!兄貴の拠点なんだから立派に決まってるだろ。」
2人は喜んでいる。
「この家は好きに使っていいぞ。オレは依頼でいない事の方が多いからな。」
2人はトランの拠点で生活することになった。
、、、
、、、、