36 ベルグとスタイ
36 ベルグとスタイ
対抗戦の7日前。
授業が終わりベルグが帰る準備をしている。
「ベルグちょっといい?」
そこには真剣な表情のスタイがいた。
ベルグは笑顔でスタイの方を向く。
「なんだい?怖い顔して」
「私と模擬戦をして欲しいの。」
「ベルグとは一度も戦ったことないし」
ベルグとトランの模擬戦をみて
スタイは自分の弱さを痛感していた。
ベルグは笑顔から真剣な表情になりスタイの目をじっとみる。
「、、、」
「いいよ。やろう!」
「僕も一度スタイと模擬戦をやりたかったんだ。」
「いつがいい?」
スタイの表情が緩む
「ベルグありがとう!」
「できるだけ早い方がいい。ベルグが可能なら、、、」
ベルグは笑顔で答える。
「じゃ今からやろ。大丈夫かな?」
「えっ!今から、、、」
スタイは驚いたが、、
「わかった!準備する」
ベルグ
「じゃあ。模擬戦場で待ってるよ」
、
、、、
、、、、
模擬戦場は静まりかえっていた。
模擬戦場に手を押さえうずくまるスタイ。
「スタイ大丈夫?」
、、、
「大丈夫!手が痺れてるだけ」
「こんなに重い剣初めて」
「、、、剣を握っていられなかった」
ベルグがスタイに歩み寄り、手を差し伸べる。
「だいたいの相手は初手で剣が飛ぶか、怪我するかだから、スタイは頑張った方だよ」
スタイはベルグの手を取り起き上がる。
「今の剣は全力だった?」
「全力ではないかな。ゴメンね」
「全力だと対抗戦に出れなくなってたかもしれないからね」
ベルグの言葉を聞いてスタイは息をのむ。
「ベルグの剣を普通に受けてるトランってすごいね」
ベルグは笑う。
「ははは!トランはタフだからね」
「最初は全然弱かったんだけど、最近は遊んでいられないぐらい強くなったね」
スタイは小さな声で呟いた
「トランってもしかして天才?」
「良く分からない奴だけど、天才ではないと思うよ。変人なのは間違いないけど。」
「ははは。そっか、、、」
「ベルグってトランと仲いいよね」
「トランといると面白いからね」
「面白い?」
ベルグは突然、思い出したかのように話す。
「1回生の時にあった魔物戦闘訓練覚えてる?」
「、、、ベルグが谷に落ちたヤツだよね?」
「ははは、そうだよ。」
トランとの日々を思い出し笑う。
、、、