35 クラス対抗戦
35 クラス対抗戦
放課後クラス全員が集まっていた。
クラス委員長パルが話しを進める。
「12月のクラス対抗戦メンバーを決める。メンバー数は5名。3本とった方が勝ち」
4回生だけで行われる剣術クラス対抗戦。毎年12月に行われるアルトール騎士学校の一大行事である。
国中から人が集まり、王族、騎士団長を始めとする多数の来賓が訪れる。この対抗戦に出ることは騎士学生にとっては最も名誉なことである。
「クラス対抗戦メンバーは毎年成績上位者5名から選出される。この4Aクラスだとベルグ、僕と、スタイ、リー、ベントの5名になる。」
「普通に考えるとメンバーはこの5名になるんだけど、何か意見のある人はいるかな?」
背の高い生徒が立ち上がりパルに呼びかける。
「パルちょっといいか?」
「なんだいベント?」
「代表は俺じゃなくてトランのがいい。トランは俺よりずっと強い。」
「、、、。
その事については僕も考えてたんだ。トランは僕よりも強いからね。」
クラスがざわつく。
「パルより強いって学校で2番目ってこと!?」
「たしかに強いと思ってたけど、、、」
「じゃトランが代表?」
、、
、、、
トランは学校ただ一人の平民だが、クラスメイトからは認められていた。
一回生の時は平民ということで差別的ことがよくあったが、剣術、魔術の腕が優れていることと学校最強のベルグと仲がいいことから徐々にクラスに馴染んでいた。
パルの言葉でクラスがざわつく中、、、
注目を浴びるトランは、、、寝ていた。
「ちょっとトラン!」
慌てるスタイ
「、、、」
「起きて!」
スタイがトランを慌てて起こす。
「、、、何?」
顔だけ起こすトラン
みんなの視線がトランに集まる。
「、、、」
クラスが静まり返る中、最強の男がトランに声をかける。
「クラス対抗戦にトランがでないか?って話しをしていたんだ。」
「なんでオレなんだよ。オレはでないぞ」
トランは当たり前といいだけに答えた。
「「え!?」」
スタイやクラスメイト達は名誉な対抗戦を辞退するとは思ってなかった。
「パル、トランはでないみたいだ」
「、、、みたいだね。
トラン、理由を聞いてもいいかな?」
「オレは忙しい。」
「ちょっと!トラン!」
(いつも寝てるだけじゃない!)っとスタイは思っていた。
クラスがまた静まり返る。
1人、ベルグだけが笑いを堪えていた。
クラス委員長のパルが話しを進める。
パル「ということで、トランは出ないみたいだから5番はベントでいくよ。ベント、みんなそれでいいかな?」
「、、、わかった。」
クラスメイトたちもうなずく。
こうして対抗戦メンバーが決まった。
そして12月になりクラス対抗戦が行われた。
クラス対抗戦の結果は、、、。
予想通りのベルグの無双により幕を閉じた。