341 勇者の封域
階段を下りた先
ひとつの扉
金属のような重厚な門
魔力を帯び、微かに光る
空気は冷たく
沈黙が空間を包む
“勇者の封域"
「ついたな」
口を開くトラン
「……」
門を見つめるアレフ
「どうするつもり?」
トランを見つめるベルグ
このまま進むのか…
それとも…
トランは門に近づき
手をかざしている。
そして
「ベルグ門押せるか?」
提案するトラン
「僕が?」
少し考える
「ああ」
ベルグは門に近づき手を近づけようとする
…
が
「……
……
!!」
ベルグの手は門に触る事ができない
「えっ!」
異変に気づくアレフ
「やはり……か…」
トランは何故か納得していた
「トランどういう事?」
説明を求めるベルグ
「“勇者の封域"は勇者しか入れない
らしい。"ダルグの日記"の内容はホントみたいだな。ははは」
笑うトラン。
ここに来てかなり重要な事をいうトラン
――勇者の封域は、勇者にしか開かれぬ。
それが“ダルグの日記”に記された内容だった。
黄ばんだ羊皮紙に、勇者本人が刻んだ文字。
「選ばれし者にのみ、扉は応える。
他の者が触れれば、封域は沈黙し、光は失われる――」
“勇者の封域”――ダルグは誰にこの言葉を残したのか…
ーー
「トラン!その情報かなり大切だから!
なんで、今更いうの!」
「ははは」
笑うトラン
「……」
少し残念がるアレフ
「で、どうするの?
引き返す?」
「ふっふっふっ
安心しろ!
オレには勇者召喚魔法がある!!」
「えっ!本当ですか!」
驚き目を輝かせるアレフ
「まさか……」
対照的に…
嫌な予感がするベルグ




