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眠る少年トラン  作者: たみ
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34 剣術授業 最強VS最凶

34 剣術授業 最強VS最凶


教官「次はベルグ、トラン」


二人が模擬戦場に入る。


「楽しみだねトラン」

ベルグは楽しそうにトランに話しかける。


「は?毎日やってるだろ!」



「ははは。今日も普通に勝たせてもらうよ」



「黙れ半笑い野郎」


「私語は慎め!始めるぞ」

教官が二人の会話を終わらせる。



クラスメイトたちは模擬戦の開始をはやく始まらないかと待っていた。


「どっちが勝つかな?」

「バカ!ベルグに決まってんだろ」

「ベルグは別格!」

「この学校にベルグより強い人はいない」

「ギル教官にも勝ったしな」

「あれはびびったな!」

、、

「でもトランもここ最近強くなったよ」

「たしかにな!でもベルグは無理だろ!『王の剣』(アルデラス)有力候補だぜ?」


「おい!始まるぞ!」

、、

、、


「準備はいいか?」

ギル教官が2人に確認する。




二人はうなずく




「始め!」






二人は動かない。模擬戦場は静まりかえる。

硬直状態が続いく。


「おい、なんで動かないんだ?」


「静かに!」

スタイが黙らせる。

、、、



先に動いたのはベルグ。


ベルグが距離を詰め。トランも同じタイミングで前に詰める。



、、、

ベルグ、トラン共に戦型は中陣攻撃型だ。騎士団では最も多い主流の戦型で、攻守ともにバランスの良い戦型だ。


時代の流れで主流の戦型は変わっていくが、中陣攻撃型の時代が来てからは、500年近く覇権を握っている。現代では最も強い戦型とされている。



主流が変わるきっかけは、その時代に生きる『力ある剣士』の影響が全てだ。500年前に実在した勇者ダルグは中陣攻撃型であったと言い伝えられている。


その勇者時代から現代まで、中陣攻撃型が天下をとっている。


そのため鍛冶屋では中陣攻撃型用の分厚いた剣が良く売れる。


もし、次の時代の勇者が前陣速攻型であれば、間違いなく前陣速攻型の時代がくるだろう。


、、、



ベルグがものすごい速さで突き出す。


受けるトラン。


ベルグの軽い突きは想像するよりずっと重い。

いつもその剣を受けているトランで無ければ剣が打ち飛ばされるほどだ。

、、、




騎士団剣術では素早い突きで相手を崩し、打ち込みでダメージを与えるという戦い方が基本だ。


突きに対しては受けで防ぎ、打ち込みに対してはかわすか、同じ打ち込みで止めるという防ぎ方がある。


打ち込みに対して受けで防いでしまうと、吹き飛ばされダメージを受ける可能性があるため悪手とされる。


、、、








(相変わらず化け物みたいな剣圧、、。腕がおかしくなりそうだ。長期戦は厳しい)トランは苦戦していた。

 剣と剣のぶつかり合う音がその凄まじさを表している。



バキッ

バキッ

ダン



ベルグの剣は突きも打ち込みも、すべてが一撃必殺になるほどの威力がある。


反則級の攻撃力を持つため、ベルグの突きを相手が受けた瞬間に勝負は決まる。


、、、しかし




トランは耐えていた。






攻守が目まぐるしく入れ替わる。 


「クソ!」

トランが押される。


「、、、」


二人の力は拮抗しているように見えた。

しかしトランはベルグとの実力差を痛感していた。(普通にやったらまける。)


トランが後ろに飛びベルグと距離を取る。



その時、


「!!」



トランはベルグに向かって思いっきり地面を蹴った。




その瞬間ベルグに向かって砂煙が上がり、ベルグは砂煙に包まれる。ベルグはとっさに腕で目を守る。


それを見てトランが砂煙に飛び込む。



二人が砂煙で見えなくなる。




「どうなった?」



「見えないから分かるわけないでしょ!」

「、、、」



クラスメイトが見守るなか決着がつく。




トランの打ち込みは空を切り。

ベルグの剣がトランの胴を捕らえていた。


「そこまで!」



「危ない危ない」 

笑顔のベルグ



「見えてたのか?」



「見えなくても

なんとなく分かるからね」


「化け物」

 


「ははは。ひどいな。

でも大分距離を縮められた気がするね」


「遊んでたくせによく言うぜ!」

 


「ホントだって」



「あー腹減った!眠い!」



、、、



「おまえらにオレから言うことはない」

教官の声が模擬戦場に響く。



 


こうして剣術授業は終わった。



トランとベルグの公式勝率は

ベルグの12勝0敗となっている。


しかし非公式の勝率では、

ベルグの1068勝0敗という

圧倒的な実力差がある。

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