339 天使像
王城の中庭、その中心に、時を忘れたように佇む天使の像
羽を大きく広げ、見守るようなその姿は、中庭に訪れたものを静かに癒す。
何百年もの時をこの中庭で過ごす天使
静けさの中
天使は何を思うのか
何かを待つようなその瞳
月の光が瞳に映る
ーー
神聖な夜
静けさの中
…
…
「よし
いいぞ!」
「はい!」
中庭に降り立つ人影が三つ
「なんでお前もいんだよ」
怪しい人影
「いやトランと王子の二人だけじゃ
なんかあった時心配だし……」
「お前も見たいんだろ」
ニヤリと笑う人影
「いいから
いくよ!こんなところ人に見られたら
大変だから」
「おっ!悪に堕ちた天才剣士!」
「堕ちてない!」
「ふふふ」
笑う子供の人影
ベルグとトラン
二人と一緒に行動できるのが嬉しいアレフ
「……」
天使像を調べるトラン
……
「ベルグなんか見えるか?」
「いや……
この像からは何も感じないよ」
「この像は直接関係ない?
王子、他にはなんかないのか?」
「えぇーと…
この中庭は特に何もないですよ……
枯れた井戸くらいで」
「ん?…
それどこだ?」
「こっちです」
アレフの先頭で進む…
トランは
振り返り天使像をみる
「これです」
アレフの指差す先に井戸がある
「なるほど…」
何かに気づくトラン
「どうしたの?」
ベルグ
「ベルグこの中だ」
「えっ?どうして」
「振り返ってみろ」
ベルグは振り返るそして
天使像と目が合う…
「天使像はこの井戸を見ている?」
ベルグが口を開く
「ああ
それにこの井戸の奥から微かに魔力を感じる
……
ベルグものぞいてみろ
わかるぞ」
井戸に近くベルグ
「ホントだ……奥に行くほどに強い」
「ははは
見つけちまったぜ」




