33 剣術授業 模擬戦 三強VS三強
33 剣術授業 模擬戦 三強VS三強
剣術授業では対人戦の模擬戦をしていた。
教官の声が響く。
「これから、スタイ、パルの模擬戦を行う。」
「2人共、準備はいいか」
「「ハイ!!」」
騎士学校は1回生から4回生の4年生である。
剣術の授業では1回生は剣術基礎から始まり、
応用、実戦と学年が上がるにつれ内容が変わっていく。
騎士学校では基礎の土台作りを大切にし1、2回生は基礎の素振り、型、構えの習得に専念する。3回生後期から実戦形式の授業が始まる。トラン達は4回生である。
教官が合図する。
「始め!!」
「は!」
スタイが素早く距離を詰めて上段から攻撃する。パルが攻撃を防ぐ、スタイは上段からの連携で連続攻撃にうつる。
スタイとパルの攻防はスタイが攻め、パルが守る展開になった。
両者の実力は拮抗していた。両者は壮絶な攻防をくりひろげている。
模擬戦を観戦しているクラスメイトたちは驚きと感心したような声が漏れる。
2人は校内でも上位に入る実力者だ。
これまでの2人の大戦歴はパルが3勝2敗と勝ち越している。スタイとしては3勝3敗に持ち込みたい。
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パルの剣は中陣守備型と学生の中では珍しい戦型だ。相手と距離を取り、守りを固めながら戦いを組み立てていく。冷静で我慢強く、多くの経験がないとできない戦型だ。ベテラン剣士に多く、状況や相手に左右されにくく、常に実力を発揮しやすい。格下には負けないが、格上には勝てない剣。
一方、スタイの剣は前陣速攻型で瞬発力がないとはできない戦型だ。パワーがない小柄な剣士や女剣士に多い戦型だ。相手と距離を詰め手数で相手を崩していく。爆発力があるため一瞬で勝負が決まることがある。格上を倒すことがあるが、剣の相性が悪いと格下に負けることもある。
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攻防の拮抗が崩れ始めた。
徐々にスタイの攻撃にスキができる。
そのスキをパルは見逃さなかった。
「そこまで!」
教官が2人を止める。
「勝者、パル!」
パルの剣がスタイに届いていた。
「スゲー」
「パル!カッコイイ」
「スタイ惜しかったのに、、、」
「対抗戦は2人決まりだな」
クラスメイトからは歓声が上がる。
最後に攻めきれなかったことにスタイは悔しさをにじませていた。
「スタイ攻めは良かった。しかし最後の詰めがあまい。あのまま集中をきらさなければ結果は変わっていただろう。」
教官が2人の模擬戦にアドバイスをする
「パル」
「はい」
「守り、受けのうまさはたいしたものだ。しかし力で押し込まれることもある。今回のようにな。積極的に攻めることも覚えなさい。そうすればお前の守りの剣はもっと良くなる」
、、、
「以上だ!2人とも励むように」
「「はい!ありがとうございました!!」」