324 『幕間』先輩と緑
帰りのバスに乗る私
20:31発だ
もう出発の時間
タッ
タッ
タッタッ
走る音
「あー
ギリギリ間に合ったー」
肩で息をする先輩
なんとか出発に間に合う
先輩は私の二つ前の席に座った。
バスは発車する。
乗客はほとんどが同じ学生だ。
そんななか
、、
先輩は
、
、
不思議な行動を取り始める
窓のふちに顔を近づけたり
窓を開けようとしたり
手を近づけてたり
何をしているんだろう?
私は気になり先輩を注視した
しばらくして
先輩が何かを見つけたみたいだと気づいた。
、
、
バスの
窓のふちには緑色のバッタ
どこからか迷い込んだみたいだ
先輩はそのバッタを触ろうと必死になっている。
しかし、、
かなりビビっている。
バッタを怖がっているみたいだ。
、、
そうこうしているうちに
終点
学生達
先輩も私も降りる駅だ。
先輩は、、、
勇気を振り絞りバッタに触った
しかし、
バッタは飛び跳ね先輩の服にとまる。
先輩はものすごい勢いでビックリしたあと
服にとまったバッタをみて
、
、
優しく笑った。
バスは終点で止まり学生達はおりていく
先輩もバッタと一緒におりていく
先輩はバッタが落ちないか心配そうにしている
学生達はバスを降りたあと電車の駅に向かって歩く
先輩も電車のはずなのに反対の方に歩き出した。
先輩が向かった先は
公園
私は先輩が何がしたいのかようやくわかった。
先輩は草むらに向かってバッタを返す
バッタは草むらの葉の上にとまった。
近くの草むらには他のバッタもいた。
先輩は嬉しそうに笑った。




