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眠る少年トラン  作者: たみ
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32 ミツアメ

32 ミツアメ


「トラン!」

スタイは芝の上で寝ている少年に声をかける



「、、、」

少年は気持ち良さそうに寝ている。



「ねぇトラン 起きて!」

スタイは少年の体をゆする。


「ん、あ〜、、、誰?」


「トランはいつも寝てるね」

スタイは芝の上に座りトランに喋りかける。


「え?スタイ!何してんの男子寮で?」


「ノート持ってきた。忘れてたから」


「おー!ありがと!って別にたいしたこと書いてないからそのままでもよかったのに」


「ははは!ベルグも同じこと言ってたよ」



「あのバカ!適当なこといいやがって」


「ははは!あってるでしょ?

しかもバカって!ベルグは学年1だよ」


「あの半笑い野郎ムカつくぜ!」


「ははは!!」

スタイはトランの冗談に笑う。



スタイはこの時、トランとベルグって以外と仲良いよなぁーと思っていた。




ベルグはいつも笑顔で誰にでも優しいので。クラスでは人気者だ。


剣、魔法、指揮、兵法すべてにおいて学校トップを独走している。


あまりにもベルグがぶっちぎりなので。騎士学生達は2位以下で競い合うということが自然となっていた。


実力が別格なので模擬戦など恐れて誰もやりたがらない。1人を除いては、、、




一方、トランは平民出身と言うことで学生の間ではよく思われていない。


トランがベルグ以外の人といることはまずない。

トランとベルグが仲がいいことは知られていたが、成績最下位と成績最上位がなぜいつもいっしょにいるのか?と学生の間では不思議に思われていた。


成績を気にせず、いつも不思議な行動はとるトランは、貴族出身の騎士学生からは理解できない存在だったのである。


トランは一回生の時、実力が低かったので、

模擬戦ではいつもボコボコにされていたが、


流血しても骨が折れても

立ち上がり向かって来るトランに

騎士学生たちは恐怖で震え上がることとなった。


そして、トランにチョッカイを出そうとする生徒はいなくなり、、、あっという間に『アイツはヤバイ!』となったのだ。







「じゃ ノート渡したし帰るね」

スタイが立ち上がる


「あっ!ちょっと待って、これあげる」


「何これ?」


「ミツアメ?だったかな。ベルグにもらったんだ。オレけっこう食べたから残りあげる。ベルグにしては結構いい仕事したかな」


スタイは笑った。

「じゃもらうね。ありがとう!」



「言うならベルグに言って」



「うん。ベルグにも言っとくね」


「、、、帰るね」



「おう。ノートありがと」


スタイはトランとまともに喋るのは初めてだった。トランに対しての印象はいつも寝ててよくわからない人という印象だったが、少しずつ変わり始めていた。


予約掲載設定の方法を学びました。


頑張ります!

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