315 極秘会談
リスナは王子からもっとも信用される使用人の一人。
アレフが6歳になり、この屋敷に来た時からそばに仕える。
かれこれ5、6年の付き合いだ。
そして今ーー
リスナは客人を案内していた。
極秘の面会。
使用人でこの面会はリスナと執事の二人しか知らない。
リスナはその客人を知っていた。
いや、王都でその人物を知らない者の方が珍しい。
"王の剣"アルデラス
王国の守り神
二度にわたり古代種を撃退した
伝説の騎士
「アレフ王子。
ベルグ様がお見えです。」
、
王子の声が扉から聞こえる。
「お通ししてください。」
ーー
リスナはベルグを王子の部屋に案内する。
王子がリスナに声をかける。
「リスナありがとう
それとトランさ…
トランを呼んできてくれないか?」
王子は何かを言い直し、
トランを呼んでくるよう指示する。
「えっ!トランくん!?
あっ!すみません。使用人のトランをですか?」
一瞬、ベルグを見る王子
「そう……
使用人のトランを呼んできてほしい」
「…わかりました。
すぐ呼んできます。」
明らかに不自然
"王子"と"王の剣"の会談に
なぜ来たばかりの"使用人"が呼ばれる?
(…トランくん?……あなたはいったい)
いつもありがとうございます!
不定期ですみません!




