30 眠る少年
30 眠る少年
アルトール騎士学校 教室
現在は授業中。
少女が隣の席の少年に声をかける。
「ねー?」
少年は机にうつ伏せになり、気持ち良さそうに寝ている。
「、、、」
「ねー、起きなよ」
少女は少年の体を揺する。
「、、、ん?」
少年は目元を擦りながらうっすら目お開ける。
「ノート取らないと教官に怒られるよ」
少女は少年がまったく授業を聞いていない事を気にしていた。
「あー、、、」
「、、、」
「、、、わかった」
「、、、」
少年はまた机にうつ伏せになり、、、
寝始める。
「わかってないでしょ!!」
少年を再び揺する少女
「、、、」
「まーなんとかすぅ・・」
「そこうるさいぞ!!」
教官の声が教室に響く。
「ちゃんと聞け!!なにしてる?」
「、、、」
「寝てました。急に眠気が・・」
少年が答える。
「お前はいつもだろ!今日で二回だぞ!!」
少年の声を途中で教官は遮る。
「、、、」
少年は何も言わない。
教室内から笑いが起こる。
「ははは。またかよ。」
「、、、」
と
その時
カーン カーン カーン
授業終了の鐘がなる。
「本日はここまで!!しっかり復習しとくように!特にトラン!!わかったな!?」
「、、、分かりました」
「では終了!!」
「「「ありがとうございました!!」」」
生徒達はいっせいに教室を出ていく。
「、、、ごめんね」
少女が少年に声をかける。
「ん?」
「私のせいで怒られたから、、、」
少女は少年が怒られたのは自分が喋りかけたせいだと思っていた。
「あー」
「、、、」
少年は怒られたことについてもうすでに忘れていた。
「オレ帰るわ!じゃ!」
少年の頭の中にはやりたいことでいっぱいだった。
「えっ!」
「、、、」
「って、、、行っちゃた」
少年は何も言わずどこかに走っていってしまった。
「あっ!トラン、ノート忘れてる」
少年の机にはノートが残されていた。
トランの奇妙な行動に
いつも困惑している少女。
少女の名前はスタイ。
スタイは学年3強の1人。
剣術、魔法どちらも騎士学校トップクラスの使い手である。
実践にも強く頭も良いので、クラスメイトからの信頼も厚い。
指揮の才能があり、仲間の特性を活かして戦う戦術を得意としている。
入学してから3年がたち、
トランは4回生になっていた。
ついに30話!!
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