3 平民と貴族
3 平民と貴族
騎士学校の廊下
「おい平民。邪魔だ!どけ!」
一人の生徒がトランに見下した態度で声をかけてくる。
「、、、」
トランは生徒を見るが気に止めない。
「貴様!ゴール様の声が聞こえないのか!?どけ!」
取り巻きの生徒が声を荒げる。
「、、、」
トランは何も聞こえないかのように通り過ぎる。
「平民の分際で無視するのか!許せん!!まて!貴様!!」
「そこでひざまずけ!!」
ゴールはトランの態度に激怒する。
貴族を恐れひざまずくものと思っていたからだ。今までも多くの平民がゴールにひざまずいてきた。
ゴールは平民は貴族を恐れ敬うものと思っていたのである。
トランはそんなことは知らない。
(なんだコイツ、変わったやつだ。)と思っていた。
トランは歩みを止めず去っていく。
「まて!平民!止まれ!!」
ゴールは怒りに任せて叫ぶ。
、、、
、、
止まる気配はない。
トランは廊下を曲がり見えなくなった。
「クソ!許さん!!許さんぞ!!」
「ゴール様を侮辱するなど許せん!」
「捕らえてひざまずかせてやりましょうか!?」
「いや待て!学校で平民を差別することは禁じられている、、、」
「今はまて」
「必ず思い知らせてやる」