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286 第二王子
ベルグは思う
剣筋は誤魔化せないと
どんなに才能があろうと
どんなに力があろうと
特別な能力があろうと
剣筋だけは誤魔化せない
王子の剣をベルグは感じとる
これまで積み上げた剣を
小さい手の少年が
一所懸命に振ってきた剣を
それも
少年は王族だ
やらなければいけない事は山のようにある
、、
、
「王子、、
差し出がましいようですが、、
こんを詰めすぎでは」
「うっ
いや、、」
全てを見透かされたような
ベルグの金色の瞳
「王子が
倒れては大変です」
「私には、、、
、
、
何もありません」
「そんなことは決して」
力強くベルグは
「、、
私にはまだ
何もないのです。
兄様のような才もない
ベルグ様のような剣も
自分がどのようにして王国のために
尽くせばいいかわからないのです、、、」
「、、、
気づいてないだけです
アレフ王子は
たくさんの物を持っています」
真っ直ぐ王子を見るベルグ