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261 第十一章 『箱』
クラン『箱』の裏拠点
「アニキ!!」
「アニキ
お客さん?、、です
どうしますか?」
バルカとアルホがトランを呼ぶ
「あ?
知り合いか?」
「多分違います、、、」
「んじゃ
ほっとけ」
冷たいトラン
「でも
『鴉』です」
「ん」
トランの表情がかわる
珍しいトランの表情に
ベルグ、アラグが反応する
「、、、」
『鴉』は隠語で『サラフ地区』の住民であることを意味する。
『サラフ地区』とは
王都ナハラの北に位置する街
貧困層が多く居住している地域で、安全や道徳が脅かされている街。危険な街であるため、王都民は決して近づかない。
犯罪は毎日のように起きる。取締る騎士団もいないため住民は自衛のすべをもっている。
王都民は『サラフ地区』の人々を恐れており、それが理由で『サラフ地区』は王都から箱のように区切られている。
その街を王都民は『箱』と呼んでいた。
、
、
トラン、
そしてアルホ、バルカは『サラフ地区』出身だ。
「その『鴉』なんですが、、
自分はノブラ一家だ
と言ってまして、、
ほんとかどうかわからないですが」
トランは目を閉じる
「、、、
懐かしいな」
「、、」
「アルホ
呼んできてくれ」