248 無力と怒り
戦闘体制の騎士とアルホ
魔物と睨みあう
魔物は静かに立つ
こちらの状況を見るように
「、、、」
すぐに襲ってこない魔物に
一層の警戒を強める
(やっかいだ、、
この魔物は、、)
「自分が指揮します
従ってください」
決意のアルホ
アルホの気迫が伝わる
「ああ」
ハサク
「はい」
ラマ
「了解した」
ガロン
「これより全員撤退します」
「!、、」
「ガロンさんはナルさんを運んでください。」
「了解した」
「ラマさんはナルさんの回復をお願いします。」
「はい」
「ハサクさんは2人の護衛をお願いします。」
「お前はどうするんだ?」
ハサクが険しい表情で聞く
全員が薄々気づいていた
「自分は残ってこの魔物と戦います」
当然とばかりにアルホは言う
「勝てるのか?」
ハサク
「なんとかします」
アルホはハサクと目を合わせない
「オレも残る」
ハサクは思う
自分のミスでこの危機的状況を
作ってしまったと
「それはダメです」
アルホの目がハサクを優しくみつめる。
「この森を抜けて本部に行くまでに
魔物と遭遇しないのは不可能です
ハサクさんがいなければダメなんです」
「じゃお前はど・・」
ハサクの言葉を遮るアルホ
「冒険者の仕事です
魔物討伐ですから、、
大丈夫です
1人なら気配を消してなんとか逃げれます
」
「くっ、、」
「はやく行ってください
時間がありません」
アルホは優しく促す
「、、
、
、
い
行くぞ
」
ハサクは拳を握りしめ
奥歯を噛み締める
血が滲むほど
自分の無力さに怒りが込み上げる
かすかに残った理性で
自分のできる仕事を考える
自分にできるこは
仲間を無事に本部まで連れて行くこと
、、
、