23 トランの魔法
23 トランの魔法
休日の朝、寮の中庭でトランはベルグに魔法を教えていた。
「魔法を圧縮するんだよ」
トランが言う。
黒い魔物戦で見せた。極小魔法をベルグに教えていた。
「はっ」
「、、、」
ベルグの杖から魔法の炎が上がるが、
大きさに変化はない。
「トラン、全然分からないよ。」
炎が消える。
「さすがにいきなりは無理だろ」
トランが笑う。
「コツとかないの?」
ベルグは素直に聞く。
「ん〜、コツねー、、、」
トランは考える
「魔法圧縮するのは魔力操作の技術と似てるんだ。」
「応用みたいな感じだ。」
「魔法を的に当てる技術の応用ってこと?」
ベルグが質問する。
「そうだ。オレが魔法圧縮ができるようになったのは的当ての授業がキッカケだ。」
「遊んでたらたまたま出来たんだ。魔法圧縮」
トランは答える。
「魔法を正確に的に当てるには杖と魔法が繋がっているイメージが大切って習ったよな?」
「そうだね。トランは最初から的当てうまかったよね。」
「オレは魔力操作は得意だからな」
「で、あの授業で習った杖と魔法が繋がるイメージはすぐできたんだが、その時の魔法の感覚が気になったんだ。」
「あれすぐできるってすごいね、、、。気になったって何が?」
「オレの魔法は的にぶつかるまで繋がった感覚だったんだ。」
「えっ!!ホントに!!」
「でも教官は打ち出したら途中で切れるっていってなかった?」
「そうだ。いってた。」
「オレは教官に聞いたんだよ。人によって魔法と繋がってる時間は変わるのかって。」
「教官はなんて?」
「熟練の魔法使いは繋がってる時間が長いらしい。」
「なるほど、、、」
ベルグは納得する。
「でも、それが魔法圧縮と関係あるの?」
「ある。オレはそれからいろいろ試したんだ。見とけよ。」
「ファイヤー!!」
トランは木に向かって魔法を唱える。
炎のは木に真っ直ぐ飛んでいった。
しかし突然木の前で止まり、上空に上がって見えなくなった。
「えっ!!」
「何今の!止まった!しかも起動が変わった!」
「ははは、面白いだろ。」
トランは笑う。
「杖と魔法が繋がってるんだったら、魔法の軌道を曲げれるじゃないかって思ってやってみたんだ。」
「結果は今見たとおりだ。」
「魔法と繋がってる間は、自由に操作できるぞ。魔力使うけどな。」
「、、、すごいこと思いつくね。」
「魔法戦の根本を覆す技術だ。」
「こんな感じの操作をいっぱいしてたら魔法の大きさを変えれるようになったんだ。」
「極小ファイヤーの威力がヤバイのは圧縮された魔法が一気に元に戻る力が関係してると思う。」
「正確にはわからんがな。」
「だからまずは魔力操作をやれ!」
「魔法が自由に曲げれるようになったら、次のこと教えてやる。」
この時期からトランとベルグは共に行動する機会が増えっていった。
トランがベルグに魔法を教え、
ベルグがトランに剣術を教える。
ベルグは平民と仲がいいという噂が広まるのであった。