21 トランの暗躍2
21 トランの暗躍2
休養期間中の朝
トランが寮から出るところをベルグは見かけ声をかける。
「トランどこ行くの?」
「街だ」
「ついていってもいい?」
「ちょうどいいか、、、。大丈夫だ行くぞ。」
「ちょうどいいって??」
「ついてこればわかる。」
、、、
二人は鍛冶屋にいた。
「どんな剣が欲しんだ?」
鍛冶屋がきく。
「この素材で剣を作って欲しい。」
トランは大きな鞄から黒い魔物の牙を出す。
「あ!」
ベルグが思わず声を出す。
「えらく硬い素材だな。A級か?」
「分からない。初めて見る魔物だったんでな。」
「とにかくこの魔物の牙に剣を砕かれて、使える武器がなくて困ってる。」
「、、、そうか。」
「このレベルの素材だとかなり金がかかるぞ」
「いくらだ?」
トランが聞く
「200だが、どうする?」
「大丈夫だ。作ってくれた。」
「おい!えらく気前がいいな」
鍛冶屋の店主が驚く。
「ベルグ。お前はどうする?作るか?」
「え?」
「牙は二本あるから剣は二本作れる。お前が欲しいなら作ってもらうけど、どうする?」
「金は心配するな。」
「どうするって、、、」
「この牙はお前のだ。好きにしろ」
「、、、じゃあ、剣を作るよ。」
「わかった。オヤジこの牙で剣二本頼む。金はこれだ。400入ってる。確認してくれ。」
「しっかり400あるな」
「出来たら連絡する。それでいいか?」
「ああ大丈夫だ。よろしく頼む。」
、、、
二人はみせを後にする。
「トラン」
「なんだ?」
「あの200とか400てなんだったの?」
「金貨だ。あの剣の製作費は金貨200枚ってことだ。」
「え!!金貨200枚って!!」
「じゃああの袋には金貨400枚あったってこと。」
「今から鍛冶屋さんに行って僕の分は作らないように言ってくる。」
「なにうろたえてる。お前貴族だろ。貴族からしたら大した金じゃないだろ」
「大したお金だよ!貴族でもそんな大金普通持ち歩かないよ!」
「、、、そうか」
トランは一瞬考える。
「金のことは気にするな。あれは元々は俺たちの金だからな。」
「え!!」
「、、、あんなお金どうしたの?」
ベルグはずっと気になっていたことを聞く。
金貨400枚など一生贅沢ができるお金だ。
騎士学生がどうにか出来るお金ではない。
そんな大金を即決したトランにも驚いていたが、、、
「あの金は魔石を売って手に入ったものだ。」