207ベルグという存在
「ナハラサよ
王都にいるベルグという剣士を知ってるか?
最近、とてつもないのが出てきたとミーゼがぼやいとってな!」
「今更!?
だいぶ前からベルグ・ジーカは有名だよ。」
「やはり知ってるのだな」
「知ってるも何も
ベルグ・ジーカは『王の剣』アルデラスだよ。
王国最強と言われる剣士でもある。
ヤラクは世間に疎すぎだよ」
「さすがナハラサ!
詳しいではないか!
ガハハは」
「それに、、、」
「それに、、
なんだ??」
「王国でトランくんとウチのハヤキが揉めた時
あったでしょ?」
「あったなそんな事が
ナハラサが謝りに行ったやつだな!
ガハハ」
「ガハハじゃない!!
君の代わりに行ったんだよ!」
「そうだったのだ!
すまんすまん!
それで、ハヤキの件がどうしたというのだ?」
「そのとき
仲裁に入ったのがベルグ・ジーカだよ」
「!!
ほんとうか!!?」
「うん
当時はまだ騎士団の副団長だったよ
あっという間に『王の剣』になっちゃたけど」
「、、、」
ヤラクはうでを組み考える。
「何故そんな有名騎士が冒険者のいざこざに
入ってきたのだ?」
「わからない、、、
でも
多分トランくんが関係してるんだと思う
、、
トランくんとベルグ・ジーカは知り合いだよ」
ナハラサは不敵な笑みを浮かべる
「なんだと!!
トランとそのベルグという『王の剣』がか!?」
「うん
かなり親しそうだったね!
年も近そうだったし、
あの2人には何かあるのかも」
「やはり面白い
面白いぞトランは
ここでまた名前が出るか」
「普通、冒険者は騎士とかと接点ないからね。
しかも相手は王国最強の『王の剣』アルデラス」
「ナハラサは直接会ったのだろう
どうだったのだ!!?その剣士は!」
「ベルグ・ジーカは異質だよ
トランくんはいろいろな意味で異質だけど、
、、、
それとはまったく別
今だに彼の事はわからないよ」
「どういう事だナハラサ!?」
「存在が大きすぎる。
理を超えてるよ。」
「強いということか?」
「強い、、とてつもなくね
僕が彼に初めて会った時、
彼はまだ『者』じゃなかったよ
そんなに簡単じゃないし、、」
「、、、」
黙って聞くヤラク
「でも存在は『者』に匹敵するか
、、、もしかしたら」
「それ以上か?」
「うん、、
十分あり得るよ」
「ナハラサがそこまでいうとはな、、、
何者なのだ?」
「だからさっきも言っけど
まったくわからない
わかってるのは
今はもっと強いという事
トランくんと仲がいいと言う事ぐらい。」
、
、
、
、沈黙
、
、
「がはははははは
愉快だ!愉快!
ベルグ、
そしてトラン
貴様らはいったい何者なのだ?」
ヤラクは窓の外に向かい語りかける。