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眠る少年トラン  作者: たみ
201/345

201 バルカのバレンタインデー

201 バルカのバレンタインデー


「アリサさん!

依頼完了なのだ!!!」

勢いよく受け付けに飛び込むバルカ



「これが依頼の素材になります。」

アルホが素材をアリサに渡す。



「お疲れ様です!

こちら今回の報酬になります。」


「ありがとうございます。」

「ありがとうございまっす!」


報酬を受け取り帰ろうとする2人



「ちょっと待ってください。

お二人にはいつも頑張っていただいでるので

感謝の気持ちです。

どうぞ

アリサが包みを2人に渡す。

赤い包みと青い包み

赤をバルカに

青をアルホに



「これは?」

アルホが聞く


「なんなのだー?」

バルカ



「チョコレートですよ」

笑顔で答えるアリサ



「あっ!

今日バレンタインデーでしたね!

ありがとうございます!」

アルホが気付く



◆バレンタインとは

大陸全体に古から伝わる謎の儀式


女性が男性にチョコレートと呼ばれる焦茶色の固形物を渡すのが習わしの奇妙な儀式だ。


目的は不明。

焦茶色に固形物は甘い味がする。

口に入れると溶ける。



「やったーー!

やった!やった!

チョコレートだー!」

飛び上がって喜ぶバルカ


微笑むアリサ


喜びすぎだろ!と思うアルホ



「アリサさん

みんなに渡してるんですか?」


「はい!もちろんです!

冒険者の皆さん頑張ってますから」

嬉しそうなアリサ




「じゃあ!お返しは山盛りなのだ!」

バルカが上を見上げて。

パクパクする。



「ははは

そんなことないですよ。

お返しはいいですって言ってるので、

別にたいした物でもないですし」

笑うアリサ



「ダメなのだ!

男たる物!もらっものは返さねば!


アリサさんからもらって

返さないなんて許せないのだ!」

勢いよく男道を語るバルカ!



「はいはい」

呆れるアルホ




アリサは

書類を作成したり片付けながら


小さく呟く



「去年、バルカさんからお返しなかったですよ

、、、」


アリサは覚えていた



小さな声だが


確実にバルカの耳に届き


脳を蝕み。

心をえぐる。




動かなくなるバルカ


「あ、


あ、

あ」


口をパクパク


これは、、、痙攣だ。



気温が下がるのを感じ取り、

バルカからゆっくりと距離をとるアルホ


アルホは自分の安全エリア確保に全力で切り替える。さすがアルホ。良い冒険者だ。





アリサは書類を書きながらまた話し出す。


「アルホさんからはお返しありましたよ」





目を見開くバルカ


ゆっくりとアルホを見る





遠のいていくアルホ

良い冒険者だ。



バルカは口パクで

(裏切り者!)



必死になって口パクで叫ぶ



アルホも口パクで

(謝れ!はやく謝れ!)





バタン!


書類を閉じてバルカをみるアリサ



失神寸前のバルカ


今にも蒸発しそうだ。



「バルカさん

私、全然気にしてないので、

大丈夫ですよ」

爽やかな笑顔で答えるアリサ

なんと恐ろしい





バルカは震え上がる。


笑顔のアリサに恐怖する。

この世の者とは思えない。



自分はなんと恐ろしいものを呼び覚ましてしまったんだと、、、



悔いるバルカがそこにいた。

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